その日は、小4息子が通っている、フリースクールの親の会の、定期ミーティングだった。
この会は、不登校児の親たちの会。
会員は10人ほどだが、私よりも皆、年齢も経験も上。
そして、ここの会員のほとんどが、自らも不登校や、生きづらさを抱える人のための団体を主催、スタッフでいるような猛者ぞろい。
ミーティングは、いつものように、雑談から入り、先月の業務報告、脱線して雑談、今後行うイベントの打ち合わせ、脱線・・。
そんなミーティングも1段落ついたとき、猛者の1人が
「コロナ前はさぁ、みんなで旅行とか行ったよね」
と話しだすと、他の猛者たちも
「そうそう、近くの駅からバスツアーが出てて・・今もあるの?」
「あぁ、あのときの旅行先、✕✕があって楽しかったわね」
と返事をする。
ここまでは、よくある光景だが、猛者のすごいところは、その話の5分後には
「まだ、そのツアーあるわよ!近々は来月の〇日だって!費用は・・、宿泊先も口コミ見るといいみたい!行く人~!」
そして、ほとんどの手が上がり
「私、来月、すっごい忙しいの!でも遊ばなきゃやってらんないから、行く!アハハハ」
「私も、予定入っていたけど、変更できるから行っちゃう!」
「じゃあ、申し込みしちゃうよ~」
「OK!」
私は手を挙げなかったが、目の前で、あれよあれよと、ものの10分ほどで1泊2日の旅行が決まった。
もちろん、旅行不参加だからと言って、文句を言われることも、次回の参加を強制されることもない。
聞くと、万事この調子で、親の会の会員同士であちこちに行ったらしい。
この旅行の話をしている最中
「さっきの、イベントの講師って・・」
「この書類の提出って・・」
と、真面目な話も並行していた。
親の会に入会して、まだ8か月。
まだまだ、この会、この猛者たち、奥が深そうで、楽しみだ。