小6の娘、朝、小学校に挨拶だけ行くことをしていたが、それも1か月ほどでやめた。
今は、週に1度放課後に、30分ほど、生徒のいなくなった学校に行く。
放課後、誰もいない教室で、担任の先生と、先生が用意してくれた、木版画制作をするのだ。
私は、その間、教室のすみで、座って待っている。
娘は、木版画制作が、とても気に入って、その時間を楽しみにしている。
板を、彫刻刀で彫ることが楽しいのだと言う。
担任の先生は、小学校最後の1年だから、娘に小学校での思い出を、少しでも多く作ってほしいと思っている。
「1泊2日の修学旅行に行ってみない?」
と、この前、先生は、娘に尋ねた。
「お母さんと一緒に来ていいよ」
「ホテルも、生徒と一緒でなくていいよ」
「団体行動も行きたい場所だけ、お母さんと来ていいよ」
先生は、娘にそう言ってくれた。
かなりの役員待遇である。
しかし、娘は、黙って俯いていた。
この修学旅行の話は、少し前にも聞いていたが、娘は乗り気ではなかったのを、私は知っている。
さて、それを先生に自分で言えるかどうか。
「来週まで、考えてみてくれる?」
先生がそう言ったとき、娘が俯いたまま、首を横に振った。
「(修学旅行には)行きたくない?」
先生がそう言うと、娘は俯いたまま、首を縦にしっかり振った。
その後に尋ねられた、卒業アルバムの写真撮影にも、娘は首を横に振った。
娘が、小学校の行事の思い出を何もいらないというのは、ちょっと寂しい気もしたが、それより、自分の意思を、自分で先生に伝えられたことが、私は嬉しかった。
彼女の小学校の思い出は、たぶん、今。
この放課後なのだろう。
ホント、うちは、人とは違う道を進む子どもたちだ。
この先、どうなることやら・・もうこれは、楽しみじゃないか。