私は、自他ともに認める、生粋の不器用である。
その昔、小6娘がまだ小さかった時、私が前髪を切ると、異常に短いか、長さがそろわずガタガタのどちらか、もしくは両方。
なので、よく彼女を泣かせてしまった。
そのうち、彼女は絶対に私に、自分の髪を触らせなくなった。
当然だろう。
私だって、自分の切った前髪には泣きたくなるのだから。
美容院に行けば、万事解決するのは分かっていたが、前髪ごときで、自他とも認めるケチの私が金を出すはずがない。
先日、自分の前髪が長くなってきたと感じ、はさみを手に取った。
「待てよ、この作業、我が家の器用さんにやらせてみてはどうか??」
というナイスアイディアが浮かぶ。
『我が家の器用さん』
というのは、小6の娘のこと。
彼女は、我が家で唯一、細々とした手作業を自ら好んで行う人間。
お願いしてみたら、二つ返事で、即、はさみを手にとったかと思ったら、あっというまにジョキリ。
目を開けたら、もう前髪はキレイにそろって、ほんの少しだけ短くなった。
「え?もう終わり?キレイに切ってある!スゴイ!」
そう言ったら、娘は、俯いて笑った。
私の前髪担当美容師さん、ご登場である。