中3息子が
「前髪がうっとうしくなったから切ってくる!」
と1人で、いつもの美容室へ出掛けた。
3か月に1度くらい、片道10分ほどの所にある店で、いつも同じ美容師さん。
息子が、定期的に出掛ける、唯一の場所でもある。
いつも、料金よりもほんの少し多い現金を渡し、残金は本人に渡す。
それで、帰りにスーパーやコンビニに寄って、好きなお菓子や飲み物を買ってきたりすることも。
子ども3人の中で最も外出の少ない彼にとって、大袈裟だが、行き帰りも含めたその時間が社会と直につながる、大切なものだと私は思っている。
しかし今回は、どこにも寄らず帰宅し、残ったお金を、動画配信サービスの月額料金にまわしたいと。
『買い物でもしてきてくれたら良かったのに』
とは思ったが、そんなことは口に出してはいけないことは、これまでの失敗で学んでいる。
代わりに
「動画配信サービスで、何かみたいものでもあるの?」
と尋ねたら、ちょっと面倒くさそうに
「別に!まぁ暇だからさ」
と息子は答えた。
不登校の専門家や、本によると
『 " 暇だ " と、不登校当事者が言うようになると、良い方向に向かっている』
と言われている。
良い方向といっても、目に見えるような行動に移すかどうかは、個人差がバッチリある。
ちなみに、小6娘は3年以上前から
「暇だ」
と言っているが、目に見えて変わったことはない。
逆に言いすぎて、近頃の娘は、言うのを諦めた感さえある。
『暇といったところで、どこに行きたい、何をしたいのかわからない』
『どこかに行きたいわけでも、何かしたいわけでもないけれど、暇』
というのが、娘の言動を見て思う、私の勝手な見解。
周りの人間が、やんややんや騒ぐだけで、もともと『暇だ』に、言うほど意味なんてないのかも。
でも、3人の子どものうち、最後に不登校になった、中3息子が、不登校3年目にして、初めて
「暇だ」
と言った。
だから、今日は、暇だ記念日。