吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

ケーキを買ってお家に帰ろう

まだ、小5息子が、私の実家にいたときの話。

 

その日は、以前から息子が大好きな、戦隊モノの映画を、2人で観に行く日。

 

息子の本拠地は変わったものの、父の病院へ面会に行くのに、母も一緒だったので、母の送迎時、ちょくちょく息子とは顔は会わせていた。

 

それでも、久しぶりの息子と2人の時間。

 

前日から、何となくウキウキしている自分がいる。

 

いつも通り、息子の好きな音楽を車内にかけて映画館へ向かい、息子が飲み物を買って、チケットを入り口で見せて、中へ。

 

そしていつも通り、となりの席の息子に

「映画、終わったよ」

と肩を叩かれ、私は、失神から意識を取り戻した。

 

「お昼ごはん、どこかで食べる?」

と、息子に尋ねると、最初は首をふったが、まもなく

「えっとぉ…やっぱり食べたいかも…」

 

向かいあった食事の席で、映画の感想を聞くと

「超~良かった!!これは、スクリーンでみて正解!!」

と、興奮しながら語ってくれた。

 

だが、失神していたし、予備知識も皆無な私には、サッパリ分からなかったけれど、息子の語りをジャマしない相槌だけはうてた。

 

相槌をうちながら、息子が楽しそうに話すなら、これがラテン語で話されようとも、私はニコニコ相槌をうてると確信しながら聞いていた。

 

要は、息子の戦隊モノ話が、ラテン語に聞こえた。

ちなみに、ラテン語は、聞いたことないけど。

 

こんなことを考えながら聞いているから、何年にわたる、息子からの戦隊モノのご教授も、右から左なのだろう。

 

食べ終わり、駐車場に行く途中に、食品売場があった。

「ばぁばに、何かお土産を買っていく?」

と尋ねると

「オレ、財布持ってきてないし、そもそも最近は稼いでないから、お金もない」

と言う。

 

我が家は、家事などの手伝いをして、自分のお小遣いを稼ぐ方式をとっているせいなのか、変なところで経済観念と、遠慮を発揮する。

 

それとも、不登校の子どもあるある、の1つ

『親の懐具合を心配する』

なのか?

 

いや、ただ私が怖いのか??

 

なんて考えつつ

「私が言い出したことだから、私が払うから、あなたは何にするか選んで」

と言ったら、嬉しそうに選び出した。

 

結局、ケーキ屋さんでモンブラン

 

「あなたの分も買っていいよ」

と何度も言ったが、頑なに、息子は首をふった。

 

ところが、ケーキ屋から離れて、1分もたたず

「あのさぁ、やっぱり…オレもケーキ欲しい」

と言い出して、まわれ右。

 

大好きなチョコレートのケーキを買って、実家へ戻った。

 

息子、ケーキを傾けないようにと、いつもリクライニングをいっぱいに倒している車内で、姿勢を正して座っていた。

 

誰かに買っていくケーキのお土産は、この緊張感と、相手の喜ぶ顔が交わる時間だったな。

 

少し前、観劇後に買った家族へのお土産ケーキを持っていた娘も、そんな顔をしていたっけ。

 

私の運転も、いつもより気をつけて。

 

さぁさぁ、ケーキ様のお通りだ!