娘、髪を切る
小5娘が、3年近く伸ばした腰まである髪を切った。
今まで「絶対に切らない」「まだまだ伸ばす」と頑なだったのに。
クセのある娘の髪は、からまりやすい。
なのに、私に似て面倒くさがりなものだから、髪をとかさない。
リンスも面倒だから、シャンプーだけ。
そうなると、どうなるか?
毛玉ができる。
犬や猫にもできる、たぶんアレと同じ。
いや、腰まである髪だから、毛玉も巨大。
それが頭に、3つ4つあるのだ。
過去、櫛でとかして、除去したが、気づくと元通り。
しかしながら、当の本人が、気にしないので、私も気にしない。
不登校児3人、不登校歴も3年越える親となると、子どもの髪に毛玉があるくらいでは動じない、というか、どうでもいい。
「子どもが今日も生きてるなら、まっいっか!」くらいでいないと、こちらの精神がまいってしまうのを、学んだから。
そんな娘が、突然
「私、髪切る!」
「すぐ切りたい!どのくらい切ろう?」
「すぐに美容室予約して!」
「うわぁ!切るの楽しみ!ドキドキするぅ!」
私の行きつけの美容室で予約がとれず、初めて行く美容室を、ネット予約。
予約サイトにあった、美容師への要望欄に、学校の話題は遠慮して欲しい、本人の言葉数は少ないがヘアカットを楽しみにしている旨を書いた。
当日は朝から「お母さん!予約時間忘れないでよ!」と、何度も念を押された。
本人は、お気に入りの服を着て、昼過ぎの予約にもかかわらず、朝からスタンバイ。
「まだ行かなくていいの?」
「遅れちゃ、イヤだからね!」
の声に押され、早めに家を出て予約10分前に到着。
店のドアを開けると、こちらの名前を言う前に、スタッフから「○○様ですね」と。
「あぁ、ここなら大丈夫そう」安心して、美容師に娘を預けた。
店内の隅で、娘には背中を向けて置かれた椅子で私は待った。
時折、娘の返事と、アニメの話をしてくれている美容師の声が聞こえて、ちらりと振り向くと、高揚してるのかちょっとだけ頬が赤い顔の娘。
大丈夫だ。
小一時間で、髪がフェイスラインで切り揃えられ、はにかんだ顔の娘がやってきた。
帰り道は
「私のクルクルの髪を生かして切ってくれたの!可愛いでしょ!」
「お母さんも、今度から、あの美容師さんにしなよぉ!」
「また切るときも、あそこにするだぁ!」
現在、相変わらず髪はとかさないが、リンスをするようになった。
髪に毛玉はない。
ここからまた、髪を伸ばすらしい。
さぁて、今度は、毛玉が何個できるか、見ものだねぇ。