吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

人生初の

私の唯一の自慢は、歯医者で虫歯の治療をしたことがないこと。

 

その唯一の自慢が、先日なくなった。

 

生まれて初めて、歯医者で「歯のつめもの」をするというのを経験した。

 

待合室で呼ばれ、治療台に座り、若い看護師さんの、鈴を転がしたようなかわいい声に従い、前掛けををしてもらい、うがいを素直にする。

 

口だって、素直に開ける。

 

でも、素直にみせかけてはいるが、私の心のうちは「この年齢まで、虫歯治療をせずに済んだのだから」と自分を慰めながら、「もはや、これまでか。無念」というじくじたる思いが交差。

 

たかが詰め物、されど詰め物。

 

そして、たいした時間もかからず、それは終わり、最後に歯医者さんから言われた。

 

「どうですか?たかくないですか?」

 

・・・・たかくないですか?

 

頭の中で、言われた日本語を漢字に変換する。

 

たかくないですか・・高くないですか?

 

「たかい」の漢字変換は「高い」しか思い浮かばない。

 

「高い」の意味は、値段が「高い」、高低の「高い」、音程の「高い」・・それから・・それ以上思い浮かばない。

 

現在の我が状況は、人生初の虫歯の治療直後。

 

で・・・、治療した医師より「高くないですか?と」尋ねられている。

 

何が????何が高いのだ??

 

ここで、治療費が高くないですか? なのか?

 

今更、座っている治療台の高さが、高くなかったですか? なのか?

 

診察室でかかっていた音楽の音程が高くなかったですか? それはないな。

 

口を半開きしながら、頭を久々にフル回転させたが、わからない。

 

おそるおそる「何が、たかいんですか?」と聞いてみることにした。

 

聞かれた医師が、逆に少々戸惑っている

「えっと・・なんというか、うまく歯に詰め物が合っているかどうか・・」

 

納得。

「あぁ、大丈夫な気がします」

そう私は答えた。

 

でも、本当は、人生初なので、これが大丈夫かどうか、よくわからないけれど。

 

人生初の虫歯治療は、新しい日本語を、私に1つ教えてくれた。

 

1週間経って、なんだか、その詰め物が、歯にないような気がするので、歯医者の予約をとった。

 

人生初、歯の詰め物が、たぶん取れた。