小4息子が、うどんを自分で茹でたいと言い出した。
きっかけは、昼夜逆転をしている、中3兄が、夜中や朝方に自分で、うどんやラーメンを茹でて食べていると知ったから。
兄は、使った鍋や食器など、洗って、しまっておいてくれていたので、私も知らなかった。
「茹でるのは、お湯を沸かさなくてはならないから、面倒なんだよ」
と言っていたのに。
おや、まぁ、いつのまに。
その兄に感化されたのか、ケンカ相手への競争意識なのか
「俺にもできる!お母さん教えて!」
と、冒頭のようになったわけで。
というわけで、うどんの茹で方教室、開講!
始まって早々、生徒さんより、
「オレ、熱いお湯が怖い~」
「ふきこぼれるの怖い~」
「強火怖い~」と。
熱い湯は、避けては通れぬからガマン。
ふきこぼれと強火は、火の調整で、まぁ何とかなろう。
うどんは、鍋で茹でるのが通常だろうが、この教室では、フライパンで、茹でることに。
我が家の麺は、乾麺。
生めんなどというハイカラなものはない。
よって、長い乾麺は鍋だと、熱々のお湯に半分ほどしか浸からない。
余った部分を、湯気がでる鍋の中に押し込むのが生徒さんにとっては、恐怖という。
なので、我が家の直系24センチのフライパン登場。
これなら、麺は、1度でほぼ湯に浸かるだろうとなった次第で。
さて、まずはフライパンに入れた水を沸騰させようとなったが、コンロの強火が怖いという生徒さん、超弱火を希望。
「沸騰させるのに、超弱火!?せめて中火くらいに!」
という言葉を、かろうじて飲み込む私。
やれやれ、当初の予定よりも長期戦になるな。
超弱火のフライパンから離れたところで、フライパンを凝視する生徒さん。
フライパンのガラスの蓋が少し曇ったと言っては、おそるおそる蓋を開け、沸騰の泡がでてきた(気がする)と言っては、おっかなびっくり蓋を開け
「まだか?」
と、何度も聞く生徒さん。
「まだまだ早い」
と、首を横にふる私。
ようやくに沸騰したフライパンに、へっぴり腰の生徒さんが、乾麺のうどんを入れ、しばし待つ。
茹で上がったうどんを、ザルにあげるのは
「無理!フライパン重い!熱いの怖い!」
というので、私がする。
冷たいうどんを、めんつゆとポン酢を混ぜたつゆで食べるのが、生徒さんのお好み。
「つゆは、オレ作れるもん!」
と言うので、フライパン超弱火うどんの茹で方教室は、終了。
兄と姉に、自分が作ったと自慢しながら、生徒さんは、いい音を立ててすすっていた。
あぁは言っているが、たぶん、もう自分では作らないだろうと、私はリビングで寝ころびながら思った。
ところが、翌日、また作ると言い出し、長電話で手が離せなかった私をよそに、自分でうどんを茹で、電話を切ったころには、音をたててすすっていた。
「オレはねぇ、日々成長してんだよ!」
と言いながら。