吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

砂肝60個

「砂肝が食べたい!い~っぱい食べた~~い!!」

「この前、お兄ちゃんと分けたら少なかった!!1パックじゃ少ないよ!」

 

そう小6娘があまりに言うので、とにかく量が多い、1つがデカいが売りの、我が家の御用達安売りスーパーで、砂肝を3パック買った。

 

1パックでさえ、砂肝が20個ちかく入っている。

 

それを、えぇぇい!ままよ!と、3パック。

 

料理方法は、いたって簡単。

 

塩こうじと、ニンニクで炒めるだけ。

 

砂肝は、私も好きだ。

 

好きだが、あれ、下処理が面倒くさいのよ。

 

60個の砂肝って・・ウチは店じゃないのよ。

 

長丁場になると腹をくくり、台所に椅子をもってきて、座りながら、黙々とした処理を始める。

 

不器用で、ズボラな私のこと、全くもって丁寧とは程遠い下処理なのだが、やってもやっても砂肝が減らない。

 

調理中に天を仰ぐのは、久しぶり。

 

「終わらない、終わらない・・・」

とブツブツ言う母親に恐怖を感じたのか、居間でテレビを見ていた娘が、台所にやってきた。

 

私の下処理をしばらく、隣で眺め

「ようは、この白っぽいところを取っちゃえばいいの?」

「じゃあ、私やるよ」

と言った。

 

普通の母親なら

「大丈夫よ」

と断るか

「じゃあ、一緒にやりましょう」

と言うだろうが、普通じゃない私は

「あら、そう?うれし~~」

と、その場を早々にはなれ、居間に倒れこんでしまった。

 

倒れこんだが、私に似て面倒くさがりの娘のこと3つ4つ行って

「もうやだ~」

と、言うに違いないとふんでいた。

 

ふんでいたが、そのまま私は記憶を遠くに、少しだけ飛ばしてしまった。

 

「お母さぁん、できたよぉ~」

という娘の声で、はたと起きた。

 

娘曰く、砂肝の下処理は、すべて終わっているというではないか。

 

「え??全部?全部終わっているの??」

と何度も聞く母を台所に連れていき、ほら!と見せる娘。

 

「オッ・・おぅ・・・終わっているねぇ・・すご~い!助かったぁ!」

 

ちょっと鼻をうごめかす娘。

 

砂肝の白っぽい部分は、包丁と手でうすくはがしていくのが通常だが、娘は、大胆に包丁でその部分をザクザク切っていったよう。

 

結果、砂肝は小さくなってしまうのだが、まっいいか。

 

娘の頑張りがうれしい。

 

同時に、娘に、我がズボラDNAが受け継がれていると確信した。

 

60個の砂肝は、さすがに1度では食べきれずに残った。

 

娘は、あれから砂肝を買ってくれとは言わない。