台所では明かりをつけなさい
台所で、ちょっとした用事をするとき、私は ついつい電気をつけずにいる。
洗った布巾を数枚しまうとか、台所に置いてあるものを1つだけ取りに行く、しまいに行くだけとかの、1分かかるかどうかのとき 面倒で明かりをつけない。
隣接している居間からの明かりがあるので、台所は薄暗いながらも、ある程度は見えるし。
ところが、そんなとき必ずと言っていいほど、台所の明かりが ひとりでにつく。
人感センサー付きの明かりだからではない。
電気のスイッチ近くには、片手にゲーム機を持った 小1の息子の姿。
そして言うのだ「暗い所は、目が悪くなるよ」
それだけ言って、サッと立ち去る。
「すみませ~ん。有難う」と礼を言うが、心の中では『すぐに終わるんだから大丈夫なのに!』なんて思っているから、数分後には、性懲りもなく 薄暗い台所でゴソゴソやりだす。
また、ひとりでに電気がつく。
そんなことを数か月以上繰り返していたが、とうとう息子から「お母さん!何度言ったら分かるの?」とお叱りの言葉が。
少し前までは、薄暗い居間でゲームをしていた息子に同じことを言っていたはずだが、そういえばそのセリフ言ってないな。
立場が逆転していた。
これが夫なら、イヤだと思うけど、息子なら許そう。
これも、そのうち終わる。期間限定のこと。
小1ストーカーは、今日も居間でゲーム機片手に寝転がりながら 絶えず母の動向を確認している。
きっと、こんな息子のことを 後々 私は思い出して懐かしんで涙するのだ。
しかし 息子よ、未来のパートナーに対して、動向確認はやりすぎない方がいいぞ。