彼は、お金のことを ちょっだけ知った
今日の昼過ぎに 小1の息子が「ゲームの課金をしたい!だから、お手伝いする!」と 言った。
課金代金は2000円。かなり高額だが、どうしても欲しいのだという。
小6の兄でさえ、そんな高価な課金はしたことがない。
我が家のお小遣いは、家事の手伝いをして稼ぐ 歩合制である。
基本的に小6の息子以外 お小遣いの前借りは認めない。
小1の息子の1回の家事代金は5円。
2000円を稼ぐには 果てしなく遠い道のりに思える。
しかし、本人はやるというので できそうなものを頼んだ。
洗った食器を拭いてから食器棚にしまう。拭く(5円)としまう(5円)の合わせ技で10円。
洗濯物を畳み、しまうの合わせ技で、こちらも10円。
床の雑巾がけは、大変だったので15円。
しかしながら、ゴールは2000円。
働けど働けど 我が暮らし・・・の世界だ。
しかし、本人は 「次のお手伝いはなに?」と喜々として頑張っている。
何故 頑張れるのかと言えば、彼が数の大小、お金の価値を理解していないからである。
彼には、2000円も200円も20円も、どれほど違うか分かっていない。
仕事をすると コインが、やればやった分だけ溜まっていくことは分かる。さっきよりも、お金が増えているのは分かる。
だが、あとどれだけ貯めなければならないか、そのための労働時間などは分かっていない。
でも、時間はかかるが、いつかはたどり着くだろう と見守っていたら、その2000円のものは今日中に支払いをしなければ なくなってしまうという。
それを本人から聞いたのが、夕方5時過ぎ。
現在の本人の所持金200円弱。
私だけでなく、小6の兄と小3の姉も一斉に「う~~~ん・・それは」と唸った。
「これから寝ずにお手伝いをしても間に合わない」などと兄姉たちに口々に言われ、ようやく事態が呑み込めたよう。
泣くかと思ったら、全身の力が抜けたように クタッと床に座り込み動かなくなり、しばらくしてから何事もなかったようにゲームをしだした。
またしばらくしてから、座っている私の膝にのってきて 無言で身体を預ける。
そして、少し離れた場所で1人でテレビをみてから、また私の膝にもどり「僕、元気ない」と1言。
彼が、お金と数を少し学んだ日の話。