誰かに、誰かが手を差し伸べる。声をかける。これは、なんて素晴らしい行為なんだろう。
ただいま、自主的休校中の7才娘。
ご近所さんの美容室のおばさまから、昨日の昼間に電話があった。
「娘ちゃん、今日も学校行ってないの?たまには気分変えて、私が一緒に登校しようか?そうしたら、行くかもよ!ダメかしらぁ?」
ここ数日、娘は 適当な時間に私と学校へ行っていた。
行くといっても、クラスには入れないから 学校の敷地内を徘徊して それで帰宅。
学校の荷物も持たず、手ぶら。靴は娘のお気に入りのサンダル。
おばさまの申し出に、娘も喜んで ランドセルを背負って 私とおばさまと娘と昼過ぎに学校へ。
おばさま、夕方まで店に予約が入ってないからと 店を閉めて来てくれるという。予約がないからといっても、他にも仕事はいろいろあるだろうに「いいの!気にしないで!」
3人でこうして学校に向かったが、時間が悪かった。
行ったら、午後の授業前の清掃時間。
生徒があちこちで、ほうきやチリトリ片手にいるのを見た瞬間 娘の腰がひけた。
「みんなが見てる。今ごろ来てるって。おかしいって言ってる。どうしよう。怖い」娘は、私の後ろに隠れた。
靴箱前でギブアップ。
おばさまは「よく頑張ったね!じゃあ、帰ろっか!」と。
その夜、担任の先生から電話があった。
こまめによく連絡をくれる先生だ。
「朝、私が家に迎えに行きましょうか?」
「無理そうなら、学校にこれたら 授業中でも構わない。 ほんの少しでもクラスに顔を出してくれたら嬉しいです」
先生の申し出に、娘は 先生が迎えに来るのは拒否。でも、クラスに顔を出すのくらいならいいと。
そのあと、娘の幼稚園時代からの親しい友だちのママからラインが。
「私と、うちの娘に なにかできることがあったら言って」
今朝、起きてきた夫が 娘と何かヒソヒソ話していた。
朝食を食べ終わった娘が、皿を台所にもってきて「今日のおとうさんへの手紙、私が書きたい」と、私に言った。
いつも、主人に持たせる おにぎりに、簡単な手紙を添えている。その手紙を自分が書きたいというのだ。
「いいよ」というと、さっそくペンを走らせて書いた手紙を見せてくれた。
『学校に、なんで行かなきゃいけないのか おしえてくれて ありがとう』
夫が娘に言った、学校に行く理由は 「高校や大学にいくため」
・・・正論すぎて笑ってしまった。
担任の先生や、私が そんな正論を言ったらストレスだろう、納得しないだろうと 懸命に遠回りしていたことをズバリ言っちゃったよ。
娘は「わたし、今日 学校いく。明日も学校いく。明後日も行く」と言って、ランドセルを背負って すんなり兄と玄関を出ていった。
誰かに、誰かが手を差し伸べる。声をかける。これは、なんて素晴らしい行為なんだろう。
結果は、どうなるか分からない。
分からないけれど、なんて素晴らしい。
なんて有り難い 行為なんだろう。
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