小6娘は、食べ物に関心が高い・・平たく言えば、食いしん坊である。
幸いにもアレルギーはなく、好き嫌いは、ほぼない。
対して中3と小4息子は、アレルギーもないが、野菜嫌いで、食わず嫌い。
娘は、彼女の情報源であるYouTubeで、ピンときた食材を食べたがる。
食べたい食材は、奇妙奇天烈なものではなく、どこにでも売っている、ごく普通のもの。
例えば、少し前には
「この辺に、お蕎麦って売っているの?私、食べてみたい!」
先に申しあげておくが、我が家は、貴族でも世捨て人でもなく、ごく普通の平民である。
我が家には、うどんや素麺、パスタはストックされているが、蕎麦はない。
数年前には、ストックしてあったが、子どもたち全員から
「黒っぽい麺は、なんか変~」
「おうどんみたいに、白いのじゃなきゃイヤだ~」
と言われ、そこまで私も蕎麦に執着もなかったので、買わなくなっていた。
そんなことを言ったなんて、娘は覚えておらず。
久しぶりに、乾麺の蕎麦を1袋買ってみたら、娘は大絶賛。
息子2人は、未だに、その見た目に首を振る。
そんな感じで、ほかにも、丸ごとのパイナップル、砂肝、カヌレ、大きいグミ、ライ麦パン、ホッケ、バナナチップス、6ピースチーズ・・に、過去、興味をもった。
大好きになったものもあれば、1回きりになったものも。
私自身が、食品の新製品とかに手が出ないタイプで、さらにケチとくれば、1度不必要と認識された品は、目にすら入らない。
そういう、保守的でケチな家の冷蔵庫はどうなっているかというと、冷凍庫、野菜室は食材が入っているが、冷蔵庫ときたら、まぁ隙間が多い。
冷蔵庫には、調味料と牛乳、お茶、作り置きのおかずが2~3つ。
要は、つまみ食いできそうな物がほぼない冷蔵庫。
いつでも開ければ、すべてを見渡せる、開けてもまるで食欲のわかない冷蔵庫。
名付けて、冷蔵庫ミニマリストである。
そんな冷蔵庫と共に育つしかない娘が、昨夜
「ピーナッツって、スーパーで売ってる?」
と聞いてきた。
『食育』
という言葉を思い出した。
貴族でも、世捨て人でもないのに、こういう言葉が子どもから出るのは、食育ができていないからか。
翌日、食育のできていない母に代わり、娘はお小遣いをにぎりしめて、ピーナッツを買いに1人、スーパーへ。
娘の後ろ姿を見送りながら、1つの結論に達した。
『おそらく、ミニマリスト冷蔵庫が、娘の食いしん坊・・いや食への探求心につながっているに違いない』
いわゆる、必要は発明の母・・いや、物は言いよう、考えよう・・??
なんというか、こういう考え方が、貴族的で、世捨て人のように達観している・・気がする。