中3息子と、小6娘がみたいという映画に付き添った。
出掛ける前、当たり前のように2人ともマスクをした。
ウィルス感染予防の観点でいえば、大正解の行動だが、彼らがマスクをする本当の意味は、たぶん別にある。
顔を、心を隠したいのだ。
ここに引っ越して4年になるが、小6娘は新しい学校には、ほぼ登校していない。
中3息子も半年足らずで、登校をやめた。
そんな短期間しか登校していない子のことなど、3年以上経って、誰も覚えていやしない。
それは、私も同じで、同じ学校の保護者を誰1人知らない。
それは、私にとって、おそらく子どもたちにとっても、精神的に楽なことで。
何故なら、近所を歩いていても、後ろ指をさされることがない。
いや、よしんば指されていても、相手を知らないので、ダメージはなし。
でも、息子と娘は外出するときは、必ずマスクをする。
コロナ前は、マスクなんてしたことなかった。
中3息子は、外出しても、寄り道することを嫌がる。
目的地以外の場所に行きたくないと。
登校拒否前は
「スーパーでお菓子を買おう、お弁当を買っていこう」
なんて言ったら、喜び勇んで、先頭きってスーパーに行っていたけどなぁ。
もちろん、中3という年齢的なこともあるだろう。
今日の映画館でも、私と娘の席とは、少し離れて1人でみていた。
家では、とても元気な2人だが、心の内は、外から見えないのが厄介で。
いつか2人がマスクを忘れて外出をして
「そういえば」
と取りに戻ってきたり、そのままで出掛けたりできたらなぁ・・なんて、親は勝手に思ったり。
口元のそれは、今の彼らの鎧で、盾で、剣であり。
どうか、彼らが
「もういい」
と手放すまで、守ってやってくださいな。
なんて言って、本人たちに聞いたら、実は全然ちがってたりして。
いつか聞ける日が来るだろうか。