吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

40年先をいっていた

少し前に、ラジオで

「最近、ホテルのレストランで、お節料理を食べる人が増えている」

というのを聴いた。

 

それで思い出したのが、私が30年以上前に通っていた女子高で参加した、スキー教室のこと。

 

この頃、ボーゲンしかできないくせに、私はスキーに熱中していた。

 

いわゆる、下手の横好き。

 

2学期の終業式が終わってすぐ、12月の今頃の時期だったか。

 

学年の垣根を越えて、希望者での2泊3日のスキー教室に参加した。

 

参加者は、学年がバラバラなので、話したこともない子と同室になったり、同じテーブルでの食事になったり。

 

その日の私の夕食の席は、長テーブルの1番隅っこ。

 

私の前には、先生2人と、隣には同学年だが、話したことがない子が座った。

 

何となく、お節料理の話になり

「お節で好きなものは?」

「お母さんが作るの、ちゃんと手伝わなきゃだめよ!」

なんて話をしただろうか。

 

そうしたら、隣にいた同学年の子が

「私、母が作ったお節を食べたことないです」

と言い出した。

 

先生2人とギョッとして、言い出した彼女の方をみた。

 

母親が病気なのか?

シングルファーザーの家庭なのか?

と、次の自分の言葉には気をつけねばと身構えていると、続けて彼女が

「年末年始は、毎年家族で、ホテルに泊まるので、そこで出るお節しか食べたことないんです」

とあっけらかんと話した。

 

その理由として

「父が年末年始しか、連休が取れないので、母に楽をさせてあげようって、父の意向で」

 

そのころ年末年始に旅行に行くなんていうのは、芸能人くらい。

 

だが、彼女の言い方は、周囲に

『ウチは金持ちなの、あんたらとは違うの』

なんていうマウントを取るようなものでは決してなく、至極、普通のものだった。

 

『この子の家は、金持ちなんだな』

とは、すぐに思った。

 

でもそれより、私は、彼女のお父さんの考え方に、いたく感動した。

 

高校生の私が感動してしまった当時、今以上に社会に、男女平等意識はうすかった。

 

家事をするのは女性の仕事、男性がするなんてみっともない。

 

ましてや年に1度のお節は、手作りが当然で、それは母親がすることが当たり前、母親以外誰がするの?という時代。

 

そんな中で、彼女のお父さんは、お母さんに対し

「お節を作る必要はない、ゆっくり家族みんなで楽しもう!」

と、ホテルの宿泊を選択したのだ。

 

高校生の彼女が、お節の記憶がないということは、ここ1~2年で、その旅行を始めたものではない。

 

10年くらい前から、始めていたのだろう。

 

はたして40年前に、そういう考えをもっていた男性が、日本に何人いたか。

 

そして今、年末年始の旅行、お節を買う、ホテルに食べに行くという選択肢が普通になった。

 

彼女のお父さんの考えに、ようやく時代が追いついたんだなぁと、ラジオを聴きながら思った。