小6娘が、片道5分のところにある、100均店に、1人でイヤホンを買いに行った。
普通ならば、それがどうしたという話だが、娘に関しては、大ニュースである。
なぜなら、彼女は、1人で行動することが、ほぼないから。
出かけるときは、もちろん私と一緒。
イヤホンだって、過去にも買ったが、私がいつも付いていった。
入浴も私とでなければ入らない。
寝室も、私と娘、小4息子が川の字で寝ており、寝始めるときは手をつながないと眠れない。
だから、もちろん就寝時間も、私と一緒。
一昨年くらいまで、私が外出の際には、どんなに近くであっても一緒についてきた。
今は、だれか家にいるならば、留守番ができるようになったが、私が外出するときは
「どこに行くの?」
「何時に帰ってくるの?」
「早く帰ってきてね」
「絶対に気を付けるんだよ、周りをよく見て、絶対に気を付けて」
どっちが親だかわからない文言で、毎回、玄関で見送ってくれる。
嬉しいのだが、時折、思春期に親がうっとおしかった時分がよみがえる私は、親不孝ならぬ、子不幸だろうか。
で、そんな娘が、その日、私が昼過ぎに帰宅すると、部屋着から着替えて髪をとかしていた。
「どこかにお出かけ?」
そう尋ねると
「100均に!イヤホンの片方がよく聴こえないの」
と。
帰宅したばかりの私だが、100均店近くの郵便局へ、またすぐに出掛けるので
「一緒に行く?」
と聞いたら
「う~ん・・、お小遣いが足りるか、確認しなきゃいけないし・・だから後で1人で行く」
と断られた。
お小遣いの確認をするなんて、とってつけたような言い訳をしてまでも、今回は1人で行きたいよう。
とても驚いたが、知らぬふりをして、私は、そのまま郵便局へ出かけた。
今年の春にも、急に近所のコンビニに出かけたことがあったが、娘1人での外出はそれ以来。
たまに、彼女には驚かされるんだよな。
郵便局から帰ると、ちょうど娘が出かけるところだった。
「いってらっしゃい。気を付けて。楽しんでおいで」
と送り出した。
30分ほどして帰宅した娘に
「おかえり」
と出迎えた。
子どもに
「いってらっしゃい」
「おかえり」
が言えるって、いいなぁって感じた日のこと。