吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

勝手に捨ててごめんよ

昼夜逆転中の15才の息子が、朝起きてきた私に言った。

「何だか、おかしなことが起こっているんだよね」

 

理由を尋ねると

「この棚にあったノートがなくなって、翌日ノートは戻ってきたんだけど、最初のページが破られていた」

「それから、その近くにあった手紙がなくなっていた」

 

その、おかしなことをした犯人は、何を隠そう私。

 

おかしなことが起こった棚には、3年前から登校しなくなった息子のノートや教科書が、埃をかぶって雑に積み重ねられていた。

 

その棚から、数日前に、私は、ノートを1冊、勝手に持って行った。

 

入院中のメモ魔の父に

「何か、書くためのノートを持っていってあげて」

と母に頼まれたからである。

 

結局、ノートを持って行ったが、父に

「書く気力がない」

と言われて、持ち帰ってきて、また棚に戻した。

 

なくなったノートが、翌日に戻っていたのは、そういうわけ。

 

そして、最初のページを破いたのも、私。

 

そこには、不登校前の息子の字で

『小学6年生になったら頑張りたいこと』

が箇条書きで書かれていた。

 

『勉強を頑張りたい』

『友達を作りたい』・・・

たくさん書いてあった。

 

息子は5年生の2学期に転校して、5年生がおわったときに

「もう登校できない」

と言って、それから小学校も中学校も行かなかった。

 

彼はどんな気持ちで、6年生になったら・・と書いたのだろう。

 

辛くて、そのページを破った。

 

そのノートの近くには、封筒があり、中には手紙が入っていた。

 

宛名書きはなかったが、子どもっぽい柄だったので、誰か子どもが書いたものだと、すぐに分かった。

 

つい、中身を読んでしまった。

 

便箋1枚に、息子をいじめていた3人の子がつづった謝罪文だった。

 

たしかに、そのうちの1人は親も一緒に、秋くらいに自宅にまで謝罪に来た。

 

しかし、3学期の授業参観で、息子は1人ぼっちだった。

 

だから、その手紙を捨てた。

 

息子は、そんな埃をかぶったノートも手紙も覚えていないと思ったのに。

 

息子に、ノートと手紙のことを言われ、最初、私はとぼけたが、やっぱり自首して謝った。

 

息子は

「あの手紙を最初読んだときは、泣いたよ。でも、もう今は忘れたからいいんだ」

「ノートも、じいじが使いたいなら使えばいい」

そう、あっけらかんと言って、また手元のゲーム機に視線を戻した。

 

あの頃、私がもっと学校と戦えば良かった、もっと息子の話を聞いてやるべきだった。

 

胸の奥にしまいこんで、厳重にカギをかけたはずのものが、ポロポロこぼれ落ちてきた。

 

『埃をかぶっていても、本人の承諾なしに動かしてはいけない』

当たり前のことを学んで、ちょっと泣いた日。