昼夜逆転している中3息子が、居間にあるパソコンを夜中に使っているのは知っていた。
だが、どこにアクセスしているのかは知らなかったし、私もそのことに興味はなく。
だから、知らん顔をしていた。
それが、最近、何かの会話で
「オレ、チャットグループのリーダーなんだ」
と、息子本人が話した。
「え?え?いつから?」
「どういう付き合いなの?」
「どうやって知り合ったの?」
「なに話してるの?」
「変な集まりじゃないでしょうね?」
という言葉を、寸でのところで飲み込み
「へ~~、楽しい?」
という言葉だけで終わらせた、私。
だてに、不登校児3人の親を4年もやっていないでしょ??
と、自画自賛させてほしい。
楽しいかと私に聞かれ、息子は
「あぁ、楽しいよ!」
「メンバーには、大人もいるらしくて ” 今、会社から帰った~ ” !とか ” 酒飲みながらしてるよ! ” とか言っている」
そう言って、少し笑った。
そういえば、私もその昔、顔も性別も年齢も知らない相手と、夜な夜なチャットをしていた時期があった。
誰もが入れるようなチャットルームで、何となく文字を打ったら返してくれる相手がいて、それが嬉しくて入り浸ったっけ。
普段の生活に疲れきっていたころだったな。
そのチャットルームでは、書いたことが本当でも嘘でも、そんなことはどっちでもよくて。
そこで出会った人は、友達だけど、友達じゃなくて、そんなことはどうでもよくて。
その時の私には、とにかくそんな状況が、とても気が楽だった。
息子は、ほとんど外出しないし、不登校で、勉強もずっとしていない。
だけど、チャットで家族以外とつながっているらしい。
つながっている『らしい』だけど、良かったなぁと思った。
そして、ずっとずっと忘れていたけれど、私もチャットで、あのとき助けられていたことを思い出せた。
良かったなぁと思った。