中3息子が、1年くらい前から、台所に椅子をもってきて、食事をするようになった。
数日前から、朝食を自分の分だけ作るようになった、小4息子も同じように、台所で朝食をとるように。
この台所での食事は、もともとは、私がしていたもの。
4~5年前、私は1人の時間が無性に欲しており、それは叶うところまで来ていた。
そのころ、末っ子が幼稚園入園、真ん中の娘が小学校入学の年。
これでようやくに1人の時間が取れるはずが、入学後まもなく娘の登校の行き渋りが始まった。
その翌年に、夫の異動で転校したら、あれよあれよと3人全員不登校。
乳幼児期を経て、指折り数えて、ようやくに1人の時間が持てるという目論みは、またたく間に頓挫したわけで。
当時小5の息子はそうでもなかったが、当時小2の娘と幼稚園の息子は、私にべったりだった。
食事を3食作って一緒に食べ、入浴も、寝室も、就寝時間も、起床時間も、どんなに近くの外出も、24時間いつでもどこでも一緒。
「お母さん、どこにいくの?一緒に行く」
「お母さん、一緒に遊ぼうよ」
「お母さんが寝ないなら、寝ない」
「お母さん、どうして居間で休憩しないの?こっちに来てよ」
「お母さん、トイレ長くない?どうしたの?早く来てよ」
私は息が詰まりそうだった・・というか、詰まっていた。
そこで1人の時間を捻出したのが、台所での食事。
目の前の居間には、食事をしながら、テレビに夢中の子どもたち。
テレビに子守をさせている間に、私は台所の作業台を机代わりに、折りたたみいすを持ってくる。
そして、保存容器に入ったままのおかずを、雑に並べて、保存容器に直に箸をつっこんで食べた。
親子共々に躾も行儀もなっていないが、それが当時の私のなによりもの至福の時間。
あれから、子どもたちは少しずつ親から離れ、私も精神的に強くなったのか、タガが外れたのか、もうあの頃のようなことはない。
だけど、台所からの食事を卒業した私に代わり、なぜか息子2人が受け継いでしまい。
2人とも、それが行儀が悪いことと分かってはいるので、そのままにしている。
それにしても、子どもって、なんで、そういう親の悪い部分だけマネするんだろう。
でも、あれ、冷蔵庫も近いし、片づけはこれ以上ないくらい近いし、要は楽なのよね。
分かる、分かる。
ズボラの遺伝子は脈々と、こうして受け継がれ・・これは喜ぶべきか、憂うべきか、それが問題・・にはならんわな。