不登校児の母親たち
地元の不登校児保護者のお話会に、参加した。
この会に、私はもう足掛け4年近く、出席している。
地元で同じ境遇の保護者同士が互いに、現状を聞いてもらい、愚痴を言い、情報交換をする。
私には欠かせないガス抜きの場所でもある。
子ども同伴OK、Wi-Fiもあり、充電もOK、食事もできるので、親たちがしゃべっている間、一緒に来た子どもたちはゲームをしている。
参加者を5人くらいに限定しているせいか、毎回参加者は違っていても、皆、それなりに自分のことを話せる雰囲気。
私が、中3息子の学校から、毎年恒例で
「息子さんの画像を携帯で撮って、学校に、その携帯を見せに来てください」
と言われるという話をした。
息子の意向もあって、学校からの連絡や訪問は不要だと伝えてあるのに加え、毎年、担任が変わるので、その写真で、先生たちは息子の顔を初めて知る。
まぁ、見せたところで
「はぁ、なるほど」
「お母さん似ですか?」
程度の感想しか出ないのは、私もわかる。
「そして、そのまま学校を後にするのよ・・私」
と言葉をしめると、参加した保護者たちからは
「携帯の写真を学校に見せに来て?何のための携帯??」
と大笑い。
でも、仕方がないので、毎年息子の写真を撮ると話したら
「息子さんの顔を、先生は知らないのだったら、誰の顔でもいいんじゃない??」
「そうよ!あなたが自撮りして、適当にアプリで加工しちゃっても大丈夫よ」
と笑いながら言われた。
「確かに!それもそうね!やだ、私ったら、気が付かなくて!」
と、私も大笑い。
悩みが、笑いに消化できた。
同じ傷を持つ者同士が、傷を舐めあって、何になるという意見もある。
だが、舐めあっているうちに、快方に向かうこともあって。
同じ参加者の1人は、自分で不登校の団体を設立すると話し
「今月末までに書類を出せば、市から補助金が出るのよ!」
「だから私、今その書類を書いてるの!見て見て!」
と、鼻息荒く、そして目を輝かせて、書類を見せてくれた。
彼女、少し前まで、ため息ばかりついていたのに。
ほかの参加者からは
「隣駅に、新しく不登校児童のための居場所ができるって!」
と、パンフレットを見せてくれた。
「え~、見学行けるなら行こうかなぁ」
「あっ!ここの代表者知っている!この人ねぇ・・」
案外、母親たちの情報網は侮れない。
泣いて笑って喋って、そしてまた歩いていくのだ。