中3息子の担任の先生から
「保護者のサイン・印鑑が必要な書類があるので、学校に来てほしい」
と電話があった。
日もとっぷり暮れ、生徒も下校した真っ暗な学校を、校門から中へ入る。
職員室のとなりの部屋で、担任の先生から出された書類に、私と子どもの名前を書き、印鑑を押す。
何枚かあった書類の、1枚は、卒業証書に書く名前の字の確認。
それに、間違っていないと押印。
あと数枚は、進路相談を今後希望しないこと、面談の練習をしないこと、あとは何だったかな・・そんなことへのサインと押印。
それから、息子が家で元気にしていることを話し、卒業証書は、十中八九私が取りに来ることを伝えた。
先生は、少し残念そうな顔をしていた。
息子は、中学校の場所さえ知らずに、卒業をすることになりそう。
息子が高校進学をしないことに、少し前まで、心が重くなることがあったが、吹っ切れてきた。
今日の進路の書類だって、心が揺れずに淡々と書けた。
「生徒さんたちは、受験でピリピリされてるでしょ?」
なんて会話も、自分で先生に振っちゃったりして。
ムリしちゃって!と、先生に思われたかな?
今年は暖冬でよかった。
誰も見ていないけれど、背筋を伸ばして、真っ暗な校門を後にできた。