小4の息子は、小1からフリースクールに通っている。
送迎は、私が車で。
電車やバスで1人で通学している生徒さんも少なくないのだが、息子は、1人で通学する気はさらさらない。
ところが、少し前に、突然、1人で電車で通学してみたいと言い出した。
理由は、私の事情でときどき、送迎時間が取れずにフリースクールを欠席せざるを得ないのが、イヤだから・・と。
まぁ、何はともあれ、新しい挑戦は良いことだと、早速、息子と電車に乗って、練習をする。
我が家からフリースクールまでは、電車を1度乗り換えて、片道30分ほど。
ホームの番号や、駅の名前などは、なんとなく息子は理解できたよう。
だが最難関は、乗り換えた先の駅。
このホームには、各駅やら、快速、特急など数種類の電車が停車する。
しかし、目的地の駅は、各駅停車しかとまらないので、各駅停車の電車を見分けねばならないということ。
息子と練習して、今更ながら気づいたが、次に来る電車の案内表示は、漢字と英語の2種類なのだ。
不登校して以来、勉強を全くしていない息子は、漢字がなんとなくしか読めない。
もちろん、英語は、さっぱり読めない。
どちらも判読不可となると、突然、表示を見分ける難易度が上がる。
さて、どうしようかと思っていると、表示の先頭にある色での区別ができることを発見
「各駅停車は赤色の表示だから」
と案内板を見ながら教えると
「じゃあ、赤い電車が来るの?」
と息子が尋ねる。
「いや、電車の色は赤じゃないのよ。たぶんね。何色の電車かは、来てみないとわかんない」
列車にまったく詳しくない私としては、そう答えるのが精一杯。
息子は、ポカンとした表情。
まだ練習は2回。
どちらも、たまたま各駅停車が来てくれた。
トイレの場所も確認した方がいいだろうか。
えっと、乗り越し、乗り間違えの練習もした方がいいだろうか。
それから、それから・・・。
待て待て、焦るな、焦るな。
電車内でそんなことを考え、ふと隣の息子と目が合うと
「オレ、経験積んじゃって、また成長しちゃうよ~」
とニッコリ。
途端に、私の肩の力が抜けた。
「そうだね」
と、ふふっと笑って返した。
「何がおかしいんだよぉ~」
と、息子。
まぁ、息子がよいというまで練習を続けていけばいいか。