吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

背中

「鼻の薬がなくなってきたから、耳鼻科に行こうかな」

ある日、中3息子が。そう言ってきた。

 

そんな訳で、夕方に息子と2人、自転車を走らせて、耳鼻科へ。

 

息子と2人で外出というのは、随分と久しぶり。

 

気づけば、私も夫の背をも追い抜かし、前に立てば壁のようになった息子。

 

耳鼻科の駐輪場に着いて、保険証と診察券を渡したら、自分で先に受付へ出しに行った。

 

診察室へも1人で行くというので、行かせた。

 

まぁ、何か親が必要とあらば呼ばれるだろう。

 

個人病院のこと、待合室から診察室へも数秒だし。

 

結局、私は呼ばれることなく、息子は待合室へ戻ってきた。

 

「なんかさ、オレの左の鼻の穴のが骨が曲がってて、穴が狭くなってた。だから、鼻づまりしやすいってさ」

 

レントゲンなのか、カメラ付きの器具なのかで、中をのぞいたらしい。

 

本人も納得したようで

「自分の身体の謎を、1つ解明できてよかったじゃない」

と私が言ったら

「謎ってほどじゃねぇよ」

と笑って返した。

 

会計も、薬局も、1人で行った。

 

薬局の外で、私はぼんやり待っていたら、片手でベビーカーを押し、片手で幼稚園くらいの子供の手を握った親子が薬局から出てきた。

 

私も、昔は、あんなだったのかなぁ。

 

しばらくして出てきた息子と、彼の壁のような背中をみながら、自転車で夕暮れの道を走った。

 

帰りに

「スーパーで夕飯のお惣菜を買おうか?作るの面倒になっちゃったよ」

と言ったら、

「昼の残りの、焼きそばがあるんだから、それでいいよ!金がもったいねぇよ!」

と。

 

本当に金の心配なのか、一刻も早く帰宅したいのか分からないが、ちょっと前まで、私の手につかまっていた息子が、いつのまにか一丁前の口をきくようになったものだ。

 

壁のようになった背中は、ダテじゃないのぉ。

 

ちょっと嬉しくなって、ニンマリ。

 

はて、同じセリフを、夫が言っていたら、私はニンマリしたろうか。

 

同じ男性なのに、立場が変わると、同じセリフもとらえられ方が180度変わってしまう。

 

この不思議というか・・せつなさ・・不条理・・そんなことを、ちょっとだけ考えた夕方。