「え~!?信じられない!」
「え~!?そんなの初めて聞いた!(見た)」
これ、私自身、言われたらイヤなのに、つい、自分では使ってしまう言葉だ。
素晴らしい手品をみたとか、壮大な風景に対してなどの、素直な驚きの言葉なら、いいのだが、これはときに、相手の言動を卑下する意味に使われることはないだろうか。
例えば
「え~!?(私は食べられるのに)これを食べられないなんて、信じられない!」
「え~!?(私はできるのに)できない人がいるなんて、初めて聞いた!」
物事には、必ず、相反する意見がある。
世界中の人が1人残らず、好きな食べ物なんてない。
世界中の人が1人残らず、好きな本なんていない。
世界中の人が1人残らず、世界平和が、自分の最優先事項なんて思ってない。
要は、自分がYESと思うものには、必ずNOと思う人がいるのだ。
そんなこと、ちょっと考えれば分かるのに、私もみんなも、すぐ忘れてしまう。
「今夜すきやきだよ」というドラマをみている。
恋愛体質で、仕事はできるが家事は全くダメな女の子と、アロマンティックで、仕事はスランプ状態だけど家事は万能女の子の、同居生活をほんわか描いたもの。
このドラマで、私は初めて「アロマンティック」という言葉を知った。
主人公の女の子2人は
「女は家事ができて当然」
「みんな、恋愛はしたいよね」
という世間の常識に苦しむ。
主人公2人は、そんな自分に向けられた他人の言動に、なかなかハッキリと「そうじゃない」と言えない。
モヤモヤを抱えながら帰宅し、唯一、自分のことを分かってくれる同居人に吐露する。
ドラマを見ながら、私も、世間の方の意見だったと反省した。
「家事ができないって言ったって、ちょっとはできるよね」
「恋愛が苦手?そんなのウソ!ホントは興味津々なくせに~」
って、私も思ってた。
「そんなの変だよ」
じゃなくて
「そういう考えもある」
ってなれたら、もっとこの社会は楽しくなるのにと思った。
もちろん、自分の生命を脅かすような言動に、そんな悠長に構える必要はないけれど。
あっ、そうそう、ちなみに、今夜、我が家は、焼きそばだよ!