夏休みも終わりになる頃。
部屋は 思うように片付かない、子どもは「今日は、どこに連れていってくれるの?」攻撃に ほとほと疲れていた。
知らず知らず、「へ」の字口になっていたのだろうか。
6才の末っ子の小さな手が、私の頬を上に持ち上げながら言った。
「ママ、笑えばいいんだよ」
それから、何度も そんな風に 私の頬を持ち上げながら言った。
今日も言った。
私は 笑っているつもりが、なかなか笑えていないんだね。
私は、いつもいつも些細なことで怒ってばかり。
あなたの温かい小さな手が 私の頬に触れて はたと気付く。
そして、あなたは何度も 私の目をみながら優しく言ってくれる。
「ママ、笑えばいいんだよ」