先日、10年ぶりに 1人で映画鑑賞をしたという記事を載せたが、観た映画はよかった。でも本命ではなかった。
本当にみたかったのは・・「翔んで埼玉」だった!!これを、ようやく観られた。それもまた1人で観られた。
この映画、原作があることすら知らなかったが これは埼玉・千葉・東京が舞台の映画という。
これは、私が観なければならない義務のある映画だと感じた。
なぜなら、私は今でこそ遠くの地にいるが 千葉県出身である。
父親は、東京出身だが 埼玉で学生時代を過ごした。母親は、結婚するまで 埼玉県民。
もっと言えば、父母両家ともに4代遡っても 東京、千葉、埼玉以外の出身者は 親戚にもいない。
私の代で 「関西出身」の主人が100年以上ぶりに入ったくらいの、関東の血の濃い一族である。
今は亡き明治生まれの祖父母などは「箱根の関所を越えた向こうの地は、異次元の世界」「何が起こっても、自己責任」だという認識であった。
もう、箱根の向こうは 外国とか、なんなら宇宙 って感覚である。
なので、私や従兄弟が修学旅行で 関西やら九州などに行くと聞くと「どうしても、行かないとダメなのか?」と 本気で心配した。
あまりに心配するので、あるときからは 行き先を偽るようになったほどだ。
さて、映画は 非常に面白かった。
埼玉をはじめ 東京・千葉・神奈川の関係は、極端に描かれているものの ほぼ正しい。
埼玉と、千葉はライバルである。埼玉と千葉は、王者 東京に近づきたい。「我、関せず」と優雅に微笑む 神奈川には、勝負すら挑もうとはおもわない。
埼玉出身の母などは、千葉に住む年数が埼玉にいたより はるかに長いにも関わらず 未だに「これだから、千葉は・・」と文句をいう。
埼玉出身の母に言わせると、千葉県民は「おおざっぱ」なのだそうだ。
その背景には「海があるから」だと。
海がない埼玉県民は、昔々など飢饉があると山しかない。山で食べられるものは、限りがある。
その経験上 埼玉県民は、日頃から節約をし 人々が助け合って生きていくことを知っている。
生きていくために教育が必要。知識は生きる術。「だから埼玉県は、教育県なの!教育の大切さを知ってるの」だそうだ。
一方、山と「海」のある千葉は、飢饉だといっても「海」がある。「海」には海藻やら、貝がある。舟をだせば魚もとれる。
それが甘えとなり「なんとかなる」という考えから「千葉県民=おおざっぱ」なのだというのが、母の持論である。
「おおざっぱ」だから、「東京」ディズニーランドとか「東京ドイツ村」とかいう名前を平気でつける。
「おおざっぱ」だから、よく考えもせずに物事を行う。だから、千葉は 凶悪事件が多い。地道で真面目な埼玉は 小さい事件ばかりだと。
それも母の思い込みであり、実際のところは どうなのか分からない。
もし、違っていたとしても、数十年におよぶ思い込みが変わるとは思えない。
それを、千葉の水に どっぷり浸かった おおざっぱの頂点にいるような私(娘)に言われてもねぇ。
そんなことを思いだし、とても楽しめた映画だった。
私も、周りからも 大人たちの笑い声が聞こえて、そんな空間も心地よかった。
映画館、また行きたいなぁ。1人で。