吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

有言実行

今日、小6の息子がボーイスカウトの集会に出掛けた。


不登校から1年。


登校をやめ、習い事をやめ、勉強をやめ、毎日の入浴もやめ、母の作る野菜料理を食べるのをやめ..。


でも、幼稚園から続けた ボーイスカウトはやめなかった。


息子は、ボーイスカウトが習得すべき技術等々は、まるでできない。やる気もない。


歩くのも苦手、スポーツも、暑いのも、寒いのも、虫も苦手なのに ボーイスカウトの集会は、ほぼ出席した。


1ヶ月ほど前、今年初のボーイスカウトの集会が3月末にあるからと、連絡があった。


既に昼夜逆転生活をしていた息子のこと、欠席すると思いきや「行く!」と。


集会は、午前8時に駅に集合して、電車移動した後に あちこち寄りながら5~6キロ先の目的地まで歩く1日がかりのもの。


昼夜逆転生活に加え、運動不足は否めない。大丈夫か??


当の息子は「行く!」と言ってからも、 相変わらずの昼夜逆転で、家から出ることもない。


こりゃあ、ドタキャンするかもと感じて、事情を知っているスカウトのスタッフに、その旨を伝えておいた。


このまま、ボーイスカウトもやめるのかなぁ。社会との接点がなくなるなぁ。
引きこもり本格始動だなぁ。


そんなことを、寝転んで動画に大笑いする息子を眺め、私は思っていた。


ところが、息子は、ボーイスカウト集会3日前から就寝時間を少しずつ早め、それにより起床時間も早くするよう調整しだした。


それでも、私のドタキャン説は引っ込まなかった。


前日まで行くと言っていたのに、当日行かない、通称『行く行く詐欺』は、不登校児の定番中の定番だ。


そんな詐欺に、今さら引っ掛かる 母じゃあないぞ。


しかし、息子は スカウト集会前夜に
「深夜に1人でみるアニメは、まだこの後に何度も見られるけど、明日のスカウト集会は 明日1回だけだから、今日は早く寝て、明日は行くよ」
とまで、宣言。


その言葉、信じていいのか??


いや、まだだ。当日までは。


そして、当日。


息子は6時前に起き、朝風呂に入り、出かける予定時刻5分も前に「待ち合わせの駅まで、1人で行けるから!」と、いそいそ出ていった。


何だ。そうか。行ったのか。行けたのか。あまりにアッサリ行くなよ。ビックリするじゃあないか。


家に必ずいる、息子の姿がどこにもないのは変な感じ。


夕方「もう歩きすぎて、足がやべぇ」


そう言いながら、息子が帰宅。


その日の スカウト集会の話は、いつものようにしないので、私も聞かなかった。


夕食は、好物のマクドナルド。


弟妹も、飛び上がって喜んだ。


また息子は 今夜から、 ゆっくり1人でアニメをみて、昼まで寝ている生活に戻るだろう。


それでいいよ。


今日は 有言実行。やったね!

A君の話

headlines.yahoo.co.jp


この記事は、我が家にとっては・・いや私にとっては目標というか、明るい未来がみえる嬉しくなる記事。


ウチの子どもたちも、彼のように前を向いて自立できるだろうか。いや、できるはずだと。


先日、我が家と同じ時期にフリースクールに入ったA君のお母さんから『フリースクールをやめる』と連絡があった。


A君とは、小6の息子と年齢も近かったし、偶然に家も近所でフリースクールが休みの日は 息子がA君宅に遊びに行くこともあった。


小6の息子が最初の1か月で足が遠のいたフリースクールに A君は通い続け、それも毎日1番のり。


自分の家のゲームを、フリースクールの皆とやりたいと、大きなリュックにゲームを沢山入れていた。


フリースクールを代表して メディアに、大人がビックリするほどの 的を得た意見を堂々と言ったりもした。


フリースクール内の会議でも、議長を務めた。


それなのに、半年ほどすると「週に1~2度しか行かなくなった」とA君のお母さんが言うようになった。


「ウチの息子も家にいるから、一緒に遊ぼう!」と誘ってみたが、連絡はなかった。


フリースクールの保護者会で、A君のお母さんが「息子が 自分はダメな奴だと泣いて、家で暴れる」と、暗い表情でこぼしていた。


フリースクールをやめてしまう兆候はあった。


やめるのは構わないと思う。


助成金のないフリースクールは、公立の学校よりお金がかかる。


それに、フリースクールに行くだけが、道だとは思わない。


ただ、あんなにキラキラした笑顔だったA君、堂々とメディアに自分の意見を言えたA君が、家では『自分に自信がない』と泣いているなんて。


彼は、まだ小学生だ。


あの笑顔はムリしていたのかな?


彼がメディアに言った「学校に行くだけが道じゃないよ!って、今 悩んでいる人に言ってあげたい」は ホントに凄いなぁって思ったのに。


ウチの子どもは、絶対そんなの考えてない!A君はスゴイなぁって。


A君のお母さんが「うちの子、夢ができたんだって!大人になったらフリースクールを作りたいって」と、ニコニコしながら教えてくれたのを思い出す。


たぶん、A君はフリースクールという場所を見つけて、嬉しくて脇目もふらずに突進していったんだと思う。


そして、居場所を作りたくて頑張って、頑張って、頑張りすぎたのかな。


ウチの子どもは、適当にフェードアウトしてみたり、戻ってみたり。


フリースクールで居場所作りに全力投球したA君と、「家も飽きたから、たまには行ってみるかぁ」の、ちゃらんぽらんのウチの子どもたちと。


どっちが良いのか、今は判断できないけれど、どちらにしても 居場所作りって大変。


春は別れの季節。


でも、いつか 会えたらいいなぁ。


そのとき、お互いが今より元気になっていたら。


記事の彼のように、A君も、ウチの子たちも たくましく生きてくれたら。

クイズの正解

先日、小学校を卒業した小6の息子の、来月からの 書類上の在籍先の中学校に電話をした。

 

連絡事項は2つ。

 

来月の入学式に欠席すること、それ以降の登校もないと思うので、教材費と給食費の徴収を止めて欲しいこと。

 

電話の相手の、教頭先生からの返事も2つ。

「分かりました」

「中学校卒業後の進路についてなどを担任と話し合っていきましょう」と。

 

まだ、入学もしていない子ども相手に、既に卒業後の進路とは。

 

笑いそうになったが、こちらも「分かりました。よろしくお願いします」と言って、電話を切った。

 

先生からすると、中学校の3年間は あっという間なのだろう。

 

だがしかし、それにしても気が早い。手際が良い。

 

後日、小学校の養護の先生に電話をして、今月のフリースクールの出席状況を知らせた。

 

そのとき、養護の先生からも「中学校には、行かないのですか?」と聞かれた。

 

「本人が行かないというので、制服も何も用意はしていない」と答えた。

 

フリースクールにも行っていない、息子を心配してしたのだろう。

先生は「他の支援施設に行ったらどうか」とアドバイスをくれた。

 

そこは公共の支援施設で、以前に私も見学に行ったことがある。

 

しかし『復学』が前提の施設で、復学の意思がないのなら受け入れられないと断られた旨を、話した。

 

そうしたら、先生は 中学卒業後の進路を心配してくれた。

 

中学の教頭先生と同じセリフに、笑いそうになったが

「1年前に登校拒否した息子に、1年で前を向くのは早すぎるよう感じる。3年後に前を向けたら御の字。5年~10年かかるかも」

と返事をした。

 

世間の時間や常識と、私のは違うのだな。

 

そう思っていたら、当の小6息子本人が「クイズ出すから答えて!」と やってきた。

 

「ヨボヨボのおじいさんが、バスに乗ってきました。でも、誰も、席を譲りません。何故でしょう!?」

 

ちょっと考えて

「そのヨボヨボのおじいさんより、更にヨボヨボな人ばかりで席を譲る元気な人がいなかったから!」

「そのバスは、動物専用バスだったから!」

「荷物を運ぶバスだったから!」

「そのバスは、ヨボヨボおじいさんの夢だった」・・・

 

と、散々な答えを出した私に

「違う!」「もっと素直に!」「頭を柔らかくして!」

と半笑いで、あきれ顔の息子。

 

こんなクイズの最中でも、他のこと考えられるのは、女性脳の特徴だろうか。

 

私は、さっきの電話のことを考えていた。

 

そりゃあさ、1日でも1分でも早く、息子が前を向けるのならば、私だってそうして欲しい。

 

そんなときのために、復学の選択肢も、公立中学校以外の選択肢も、高校の選択肢も、その先も、そのあたりの情報は、ザッとだが 私の方は収集済み。

 

未来へ目を向けるための、カードは持っているんだ。

 

だが、息子が 自ら言わない限り、その素振りがない限り、そのカードを私から出さないと決めている。

 

 

そうそう、クイズの正解は

「バスの席が、まだ沢山空いていたから、誰も席を譲らなかった」

 

私は

「え~~!!荷物運搬用バスでも正解だよね!?」

「ヨボヨボの乗客ばかりなのも、アリだよ~~!!」

と、悪態をついたが、正解は出せなかった。

 

確かに『席が空いていた』のは正解だが、ちょっと納得がいかない。

 

 

人生も、この手のクイズも、スッキリした答えが正解だが、でも屁理屈みたいな答えも正解でいいんじゃない??

 

こうやって、母親に クイズを出してくる息子が正解でいいんじゃない?

 

世間の時間や常識と、私のは違うのだ。それでいいのだ。たぶん。

 

正解は・・X年後。

 

結局、ズボラはダラダラが好き

夫が1年ぶりの泊りがけ出張に出かけた。

 

少し前に その予定を聞かされて『その日は、もう何もやらずダラダラしたい』という思いが多数を占めつつ『いや、そんなことがあっても最低限のことを きちんとしたい』という思いも少し。

 

人間、いや、特に 私は 自分ができないことをする人や言動に憧れる。

 

少し前にみたYouTubeの影響もある。

 

この人のように、誰もいない家を、時間を丁寧に有意義に暮らす主婦。

素晴らしい。

私もしてみたい。

なってみたい。

だけど、やらない。

見てるだけで満足レベル。

だけど、いいなぁと思うわけで。

 

youtu.be

 

そんなことを思いつつ、夫の出張日を指折り数えていた。

 

出張日の朝は、いつも通りに早起きをして朝食を作って、夫を見送った。

 

簡単に掃除をして、洗濯機もまわした。

 

ゴミ捨てに、小3の娘と小1の息子もついてきて、そのまま公園で鬼ごっこをしてから買い物。

 

ごっこで疲れ果て、もつれる足のまま、スーパーのカートを押す。

 

ふと時計を見れば、もうすぐお昼。

 

おいおい、何時間鬼ごっこをしていたんだ。

 

今日の1日の目標歩数クリアしてるな、これは。

 

そう思ったとたん、憧れYouTubeの動画は吹っ飛び、子どもに夕飯の弁当を各自買っておくよう指示。

 

子ども、大はしゃぎ。

 

帰宅後「お腹すいたら、適当に食べて~」と言って、そのまま倒れままこみ、携帯が手から離れられない、目が離せない。ゴロゴロ。ゴロゴロ。

 

何もしたくない。何もしなくていい。

 

夫も帰宅しない。明日も早起きしなくていい。

 

気付けば、日付も変わるころに、ようやく子どもに「寝ようか」と言った。グダグダな1日だ。

 

寝る前に子どもたちに「なるほど、あなたたちが1日ゲームやらテレビで過ごせるの分かったよ!いやぁ、楽しいね!時間が過ぎるのが早い早い!」と言ったら

 

「そうでしょ~!」「オレらの気持ち分かった?」との返事。

 

 

『1度逃げ出した奴は、何度でも逃げ出す』

『怠け癖は、一生直らない』

 

というような意見があって

 

『逃げ出す方法を知っていないとダメだ』

『ずっと同じことをしていたら、そのうち飽きる』

 

というような意見もあって。

 

いつもダラダラした私を見ていて、子どもたちは不登校になってしまったのかと考えることもある。

 

YouTubeの動画のようなお母さんなら、子どもたちは、そうならなかったのだろうかと考えたこともあって、頑張ってもみたが、やっぱり続かない。

 

ダラダラの母にして、この子ありか。

 

『まずは、お母さんがニコニコしていなきゃダメだ』と、子どもが産まれたときに言われた言葉を思い出して、結局 今は そこに戻ったしだい。

 

 

夫は、久々に学生時代の友人に会うという。楽しんでくれると良いな。

 

それにしても・・・夫が退職したり、子どもが出て行ったら、私のダラダラは加速してしまうんじゃないかという自信・・・もとい、心配が確証に変わるのことの方が怖い。

医者嫌いをなくしていこう

引っ越してから、1年半。

 

今、私が定期的に受診している医者が良い。

 

実は、だいぶ長いこと、私は医者が苦手だった。

 

医者のご苦労は、素人が傍で見るより はるかにあるかと思う。

 

だけどだ。

 

居酒屋や、ファミレス店員のように「いらっしゃいませ~」「(血圧測定)喜んで~!」と言ってくれとは言わない。

 

だけどさ、患者相手に もう少し愛想よくしても良かろうと思っていた。

 

そもそも、私には医者に対してトラウマがある。

 

30年前にもなるか。母が入退院を繰り返していたときのこと。

 

当時の私は、社会の右も左も分からぬ10代の学生。

 

医者との付き合いが、こんなに大変なものかと身に染みた。

 

社会には、金の力と、コネの必要不可欠なのを思い知らされた。

 

随分後から見た『白い巨塔』のドラマが、私には ノンフィクションにみえた。

 

それでも、子どもが産まれてから、子どものかかる病院で1人、2人と、少しずつ良い先生に出会えるようになった。

 

そのうち、私自身がかかる病院でもようやく2人出会えたが、どちらもご高齢の医師で閉院してしまった。

 

結局、閉院と同じころに 私も引っ越しをしてしまい、医師探しは またゼロからに。

 

まずは、私の持病の薬確保が先決!この際、良い医者だの病院だのは二の次、三の次だ!

 

というわけで、たまたまネットで見つけた少し遠方の病院に、引っ越して間もなくナビを頼りに行ってみた。

 

少々特殊な病気なので、念のため病院に電話をして診てもらえるかを確認をしたら、男性の声で「はい!大丈夫ですよ~!」と元気に言われた。

 

『受付が男性職員とは珍しい』と思いつつ、目的の小さな病院のドアを開けて「先ほど、電話を掛けた者ですが・・」と受付の女性に言うと、女性の後方にいた男性が「あ~~!お待ちしていました!」と。

 

どこかで聞いた声・・そう、電話の声の主だった。

 

それは、この病院の院長であり、唯一の医者であった。

 

「あ!どうぞどうぞ!そのまま診察室へ!」と、その医者に言われ、ふと院内を見渡すと、患者ゼロ。

 

ここは『内科』の看板を掲げている。

 

『内科』と言えば、混んでいるもんじゃない?

 

診療開始直後とか終了間近の時間でもないのに、患者ゼロ・・最近できた?キレイな病院だけどなぁ。

 

でも、患者ゼロって・・・ここ大丈夫か?

 

武井壮氏に似た、30代後半~40代の医者は「いらっしゃいませ~」「喜んで~」と言わんばかりに終始笑顔で、私のこれまでの様子を聞いてくれ、説明も詳しくしてくれた。

 

ビックリした。こんなニコニコする医者が、この世にいたのか。

 

でも、わからんぞ。たまたまかも。

 

きっとこれまでの医者同様に、そのうち看護師や薬剤師をバカにしたり「私の診断に文句があるのか」と言うに決まっている。

 

医者とはそういうもんだ。

 

それを暴いてやろうと、片道 車で30分弱を 毎月通うこと1年半。

 

今日は 待合室には患者が5人いたが、5分も待たずに呼ばれた。

 

ちなみに、予約制度はこの病院にはない。

 

「よろしくお願いします!」

「よ~し!今回も、採血をしましょう!」

「その前に、血圧をはかってもいいですか?」

と、今日も武井壮似の医者は、明るくニコニコ。なかなかシッポを出さない。

 

最近は、患者が増えない(ように見える)この病院は、やっていけてるのだろうかと、余計な心配をしてしまう 私がいる。

 

このまま、シッポを見ないでいられたらと願ってしまう。

 

あっ、それより、来週にでる結果・・先月の数値が悪かったんだよなぁ。体重も増えたし・・はぁぁ。

 

この溜息と一緒に、医者へのトラウマを、偏見を 少しずつ消していけたら。

 

いや、ため息とトラウマと一緒に、身体中の脂肪も消していけたらあぁ・・!

 

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探し物名人

数日前から、私の携帯スタンドが見当たらない。

 

携帯依存症の私は 携帯をみながら、聞きながら家事をするので、これを重宝していた。

 

重宝していたのに、いつも置いていた場所に、どういう訳かない。

 

だが、スタンドがないからと言って、携帯が見られないわけではないため、特段 不便ではない。

 

それに、家の中には確実にあるのだから、そのうちすぐに見つかるだろうと真剣には探さなかった。

 

しかしながら、見当たらない。

 

携帯を自宅内で探すのが日常茶飯事なのに、今度はスタンドも探すのかぁ!?と、自分自身の老化にうんざりと、少々の恐怖すら感じていた。

 

今朝、ダメモトで 小1の息子に「お母さんの携帯スタンドを見なかった?」と尋ねた。

 

ダメモトの理由は、テレビに夢中の息子が 探し物などしないだろう、それに自分の持ち物さえ、しょっちゅう探しているのに、親の持ち物など気にするはずがなかろう、まだ

小1なのだから。

 

しかしながら、予想を裏切り、息子は、すっくと立ちあがったかと思うと 居間をくるりと見渡し「あっ!あそこじゃない?」と本棚の上をすぐ指差した。

 

指差す方向には確かに、数日探していた携帯スタンドが。

 

「え~~!?スゴイ!!何で?こんなところに!?」

「息子くんが見つけると思ってなかった!スゴイね!嬉しいよ!」

そう喜びながら、私は、実は複雑な気持ちでいた。

 

『何故、私は 数日も探して、こんな分かりやすい場所を見落としたのか?』

『何故、私は 携帯スタンドを、絶対置かない本棚に置いたのか?いや、そういえば置いたな』

という、自分の記憶力・行動・視野の狭さなどの老化を思い知らされた。

 

そして、どうせ息子は見つけようとはしない、たかが小1で見つけられるはずがない、見てはいないと思い込んでいたのを恥じた。

 

大袈裟だと笑われるだろうが、自分の老化と子供の成長を見せつけられた 気がしたのだ。

 

そんな私と裏腹に、探し当ててくれた息子は、私が思っていたよりビックリしたこと、褒めたことに喜び、得意になっていた。

 

「オレがね、ちょ~っと周りをみたらね、あったの!」

「だから、あれかな?って思って教えたんだ!」

「どう?ビックリした?嬉しかった?」

「お母さん、机の下とか見てたでしょ?オレはね、上を見ようと思ったんだ」

「そしたらね、すぐだよ!すぐ見つけたんだよ!スゴイでしょ?」

 

息子を褒めながら、なくしたものは、たいてい分かる『お母さんは探し物名人!』そう私は自負していたのになぁと、ぼんやり考えていた。

 

息子は、好きなテレビそっちのけで 同じセリフを何度も何度も私に言って、長いこと喜んでいた。

 

そんな息子の姿を見ていた。

 

私の自負が、段々とちっぽけに感じてきた。

 

誰かに認められること、褒められるって、やっぱり嬉しいこと。

 

いつまでも甘えん坊で、手を貸さないとダメな末っ子だと思っていたのは、私だけで、息子は成長しているのだ。

 

探し物名人の看板はおろして、今度は『落とし物名人』の看板を掲げるとする・・

 

いや待て、それは悔しい。惜しい。

 

子どもの成長に目を細めて、道を譲ってばかりでは、何だか自分が一足飛びに老けそうだ。危ない危ない。

 

成長は認めるし、褒めてもやるが、探し物名人の座は、まだまだ譲らんぞ。

 

誰だ?そんな座はいらねぇという奴は??

 

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卒業証書

今週のお題「〇〇からの卒業」

小6の息子の小学校の卒業式が行われ、息子は欠席の返事をしてあるので 式終了後に私が代わりに証書をもらいにいった。


普段着で行こうかとも思ったが、形はどうあれ、やはり『式』なのでスーツを着た。


外は晴れて、少し風が強い。


久々のスーツにヒールを履いて、1人で学校へ向かう。


息子が大好きだった引っ越す前の学校に、あのまま居たら、卒業式には息子と2人で学校に向かったのだろうか。


簡素になった式に物足りなさを感じながら、保護者席で涙したのだろうか。


息子は、卒業式後に「友だちと遊びに行く!」と駆けだしていったのだろうか。


そんなくだらない『たられば』を考えては、打消し、また考えてしまいながら、校門につく。


紅白の紙花で飾られた『卒業式』の立て看板が目に入る。


「息子のために片付けず、まだ立てて置いてくれたのだ」と勝手に良い方に思い込み、1つ息を吐いて中に入った。


『スーツは戦闘服、鎧だ』と誰かが言っていたっけなぁ。スーツ着てきて良かったかも。


校内で、何人かの先生から「おめでとうございます」と言葉をかけていただき、応接室で、数人の先生に囲まれながら証書をいただいた。


不思議と悲しくなかった。逆に、ガッツポーズしたいくらい。


何に、誰にガッツポーズなのか分からないけれど。


帰宅して、証書に改めて目を通そうと思わなかったが、養護の先生が卒業生1人1人にあてた「あなたは6年間でこれほど身体が成長しましたよ」という記録があった。


息子は、身長、体重が32センチ、37キロ増えていた。



そうか、私は これに 、この記録にガッツポーズをしたかったのかもしれない。



登校は、5年間しかしなかったけれど、卒業式は出なかったけれど、彼は心身ともに元気に成長した。している。


この記録が卒業証書。


これは、息子の長い人生の小さな節目。


どうか、学校なんて、大人のつくった区切りに惑わされないで。