小6娘が
「家で、小物を作りたい」
と言って、手作りのキットを売るサイトを指さした。
それまで、折り紙、アイロンビーズ、塗り絵などにハマる期間は、不定期に訪れていたが、今度はビーズで作るものらしい。
ズボラな私は、こういう細々とした手作業が苦手なので、何だかよく分からなかったが、お金だけ出す。
最近、親が子どもにできることは、衣食住、生命維持、法律遵守、あとは、こんなときにお金を払うことだけだなと思う。
もちろん、それだって可能な限りだが。
さて、頼んでいた娘のキットが、届いた。
出来上がると、ビーズで作られた小さなケーキになるとのこと。
午前中に届いたそれを、娘は食事もそっちのけで、早速に作り始めた。
作り方が書かれた紙を見ながら、細いワイヤーとビーズを、黙々と、こねくりまわして。
しばらくして
「あぁ・・難しい」
と、大きなため息をついたので
「時間があるから、少しずつやったら?」
という私のお気楽なアドバイスに従い、ようやく手を止めて、その日は終了。
そんな彼女が、急に
「中学校に、なるべく登校してみようかな」
「入学式は出たくないけど、その翌日から・・」
と言い出したのは、昨日のこと。
兄同様に行かないものだと、高をくくっていた私は、早々に給食費と教材費を止め、もちろん、制服なども買っていない。
慌てて中学校に連絡をして、新年度のスケジュールやら、登校時間、制服などのことを尋ねる。
「中学校、朝8時までに登校だってよ!」
そう娘に言ったら
「えっ・・・」
と絶句。
私も
「早いねぇ」
と、うなだれる。
長年、登校時間なんてのを気にしない生活の弊害が、今ここに・・。
「今さら、遅刻だの早退だの、ナンボのもんじゃい!死ぬわけじゃない!」
と、私自身に言い聞かせるように言ったら、彼女の頬がゆるんだ。
小4弟が、フリースクールに居場所を作ったように、彼女にも家庭以外の居場所ができたらいいなと思う。
食堂での皿洗いの手伝い、自治会の手伝い、舞台鑑賞、前髪ウィッグ購入、私の前髪担当美容師就任、ビーズ作成・・
新しいことへ、少しずつジャンプをしてきた彼女が、今、大ジャンプをしようとしている。
ジャンプをしようがしまいが、ジャンプした結果がどうあれ、挑む彼女に、乞うご期待。