数日前、85才の父が自宅で転倒して、足を骨折した。
母の話では、派手に転んだわけではなく、つまづいた程度だったという。
転倒する少し前に、私は用事があって実家に行った。
『前日から、父が、足が痛いと言い出し、急に自分で歩くのが困難になってしまった』
と、母から情報は入っていたが、実際に会った目の前の父の姿に、愕然とした。
足を1歩前に出すにも苦労している姿よりも、父の身体が、とても小さくなっていたことに。
父とは1か月に1~2度は会っている。
2週間前に会ったときの父に、そんな印象はなかった。
母に尋ねても
「痩せてはいないわよ、食欲もあるし!だって、暇さえあれば、何かしら口に入れてるもの」
と、ボヤく。
そう聞いても、私には
『たった2週間で、人の身体って、こんなにも変わるものだろうか』
と、驚きを通り越して、恐怖さえ感じるほどに、父の身体はしぼんで見えた。
骨折したのは、その2日後だった。
手術は、入院してすぐに行われた。
父の手術は2度目のこと。
1度目は20年前、そのときは心臓を。
今回の手術の日
「あのときも、こうやって一緒に病院で待っていたわね」
と母に言われた。
80才の母は、これからのことが心配でたまらない。
85才の父が、リハビリを頑張ったとはいえ、以前のように自力で歩行から何から、全てできるレベルまでの回復は難しいだろう。
加えて、父は痛みが非常に苦手。
20年前の心臓の手術後のリハビリを断固拒否し、お偉い医師・看護師さんまでもが病室に来て説得したが
「傷口が痛むから動かせない!」
と首を縦に振らず。
あれから20年経っての、今回の手術後の家族の負担が、多少なりとも増加するのは、目に見えている。
見えてはいるが、両親と同居している妹は、仕事が忙しい。
そして私も、隣の市に住んでいるとはいえ、すぐさま駆け付けられる距離でもない。
なので、母の心配もわかる。
しかしながら私は、父が85才の今まで、自分で何とか身の回りのことをしてこれたのは、御の字だと思っている。
『来るべきものが、とうとう来たな』
という感じ。
今の病院には3週間入院して、そのあとはリハビリができる病院に移る予定。
手術直後、父は看護師さんに
「リハビリを頑張ります!」
と言っていたが、ホント、今回は頑張ってもらわないとなぁ。
今後のことは、まだ何もわからないが、まずは肩の力をぬいて挑もうかと思っているしだいでございまする。