吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

あのお肉を食べに行きたいよ~福島~

お題「もう一度行きたい場所」

 

10年以上前になるが 子どもが生まれる前、夫婦2人で福島県へ旅行に行った。

 

肉が好物の主人のために「肉が美味しい」と評判の1件のペンションを予約した。

 

記念日だったので、数ある肉料理の中から奮発して「シャトーブリアン」を夕食にお願いした。

 

2人とも「シャトーブリアン」を食べたことなど 1度もない。

 

テレビのグルメ番組で出演者が「美味しい」と絶賛していたのを見たことがある程度。

 

しかし、味覚というのは人それぞれであり それにテレビ番組で「マズイ」とは言えまい。

 

だから、内心あまり期待はしていなかった。

 

ペンション到着前にみた、五色沼が思った以上に素晴らしく「これが見られただけでも良かった」と言いながら席に着いた夕食。

 

メインの肉料理の前に出てきた野菜サラダに驚愕。

 

生野菜に、塩コショウとオリーブオイルがかけてあったろうか。

 

たいした味付けはしていないのに、この野菜の甘さは何だ。

 

オリーブオイルってこんなに美味しいものだったのか。

 

野菜嫌いの主人が「何だこれ」と言いながら、ペロリとたいらげた。

 

メインの肉料理が出るまでに夫婦で「どこのオリーブオイル?」「この野菜、どうなってんの?」「何でこんなに美味しいの?」とヒソヒソ。

 

次に出てきた米沢牛のあぶり寿司にも「何だ溶けるぞ。この肉」「なによぉ、グルメレポーターのお決まりのセリフを・・・ホントだ、溶ける」

 

そして出てきたメインの「シャトーブリアン

 

焼き加減はレアだった。いや、かなり生に近かった。

 

「ウェルダンが好みだけどな」と思ったが、まぁ1口食べてみて それからお願いしてもいいかとナイフとフォークを刺した。

 

肉が切れた。

 

ナイフを手前に少し引いただけで肉が切れた。

 

表面だけ少しあぶっただけのような中身は真っ赤の肉。

 

またしても口の中でとろけた。

 

味付けは塩コショウのみだが、他を入れてはいけない味だ。

 

「美味しい」しか言葉が浮かばない。

 

あぁ、このセリフもよくグルメリポーターが使っていたっけ。

 

いやいや、そんなどうでもいい思考は邪魔だ。

 

この肉を全身で味わいたい。

 

ゆっくり会話を楽しむこともなく ただただ2人で黙々と食べた。

 

食べ終わって、部屋に戻ってドアを閉めた途端

「ちょっと、何?あのお肉?」

「驚いたよ」

「グルメリポーターの言葉もまんざら嘘でもないようね」

「世の中には、こういう食べ物があるんだな」

「生まれて初めて、野菜がうまいと思ったよ」

 

延々2人で、出てきた食事のことを話し続けた。

 

「また行こう」

そう言ったのに、あれからまだ1度も行っていない。

 

「子どもたちには勿体ない味だ」

「あれは、自分で金を稼いでから味わうべき味だ」

 

そんなことを言っていたら、福島からどんどん遠ざかってしまった。

 

1度だけ、近所のステーキハウスでシャトーブリアンがあったので頼んだことがあったが 夫婦で落胆してしまった。

 

10年以上経って、味が頭の中で美化され過ぎてしまったのだろうか。

 

それでも毎年「福島に行きたいね」そう言いながら、いつも1年が過ぎていく。

 

今年こそは行きたい。ペンションフレージェへ。

 

www.fraisier.net