姉と弟
2~3年ほど前から、7才の姉と5才の弟は「顔が似ている」「遠目にみると区別がつかない」なんて、外で言われてきた。
同時に「どちらがお姉ちゃん(お兄ちゃん)ですか?」「双子ですか?」とも言われた。
そう言われる理由は 顔が似ていることより なにより、2つ違いの姉と弟でありながら身長・体重がほぼ同じだったからに他ならない。
しかし、学校や幼稚園の身体測定では かろうじて「3センチ」姉の身長は高かった。
だが、その「3センチ」も「2.8センチ」になり「2.5センチ」になりと、その差は確実にちぢまっていた。
そして とうとう、その日が来た。
その日は 日曜日。公園の 子どもたちが遊んでいる近くで、夫婦でベンチに座っていたとき。
主人が何気なく言った「弟、姉よりデカイな」
私も言った「やっぱり、そうみえる?」
とうとう、5才の息子の身長が 姉7才を越した。
おそらく、この先 姉が弟の身長を超えることはないであろう。
親からすると、思春期近くになって 弟に身長を越されるなら まだしも 7才で越されるとは・・と複雑な気分になる。
しかし、当の2人は お互いの身長がずっと拮抗していることも 弟が姉を追い抜いたこともわかっていない。
たとえ、分かっても 2人にはそれほど重大なこととは思わないだろう。
姉は 弟にアメとムチをつかいわけ、弟に「姉は絶対的存在である」ことを教え込んでいる。
姉と遊ぶことが楽しくて仕方ない弟は、分かっていない。知らず知らずのうちに 教え込まれている。
今日も入浴中に、洗面器に冷水を汲んで遊んでいた姉。弟には その冷水にいっさい触れさせなかった。
それでも冷水に触りたくてたまらない弟は、姉の目を盗んで触る。そのたびに 姉に叱られる。 弟「は~い。ごめんなさい」
そのうち、姉に「じゃあ、お水に指1本だけ入れていいよ」といわれ「ホント?姉ちゃんやさしい~!ありがとう!!」と感激する弟。
たしかに・・身長は、この2人には関係ないな。