トモダチ作戦~桜の季節に~
数年前から私が所属している ボランティアのメンバーの1人、サトコさんが 今月で辞めることになった。
出産や、ご主人の異動、フルタイムの仕事が忙しくなったりで3月は、毎年数人が辞めていく。別に珍しいことではない。
去年の今ごろ、ボランティア創設時のメンバーの最後の1人が辞めてしまい 最古参となった彼女は、あれこれと頑張っていた。
サトコさんは決して、すごいリーダーシップがあるわけではない。謙虚で、これまでも発言などもほとんどしない。
それでも、皆が面倒くさがる仕事を「私やりますよ」と、静かに手を挙げてくれた。
「最古参」となったサトコさんが、早々に行ったのは それまで最後の創設時のメンバーが一手に引き受けていた 細々とした雑務を 全メンバーに振り分けたこと。
これにより、それでなくても 皆が遠慮がちなボランティアの雰囲気が 各々に少しの「責任を与えられた」ことで、会合で少し発言しやすくなった。少しボランティアの雰囲気が柔らかくなった。
それでも、私もふくめ 他のメンバーは 何か困ったことがあると、サトコさんに頼っていた。その彼女が辞めることは、心もとない。
私は「心もとない」の気持ちもあるが、彼女がいなくなることが 正直「寂しかった」
何故なら、このボランティアに応募したときに 初めて会ったのがサトコさんだったから。そのとき応募したのは私1人。
このボランティアのあれこれを、彼女が私にマンツーマンで丁寧に説明をしてくれた。
そして、4ヶ月前のボランティア内の食事会。そこに来たのは、サトコさんと私だけだった。
そのあとの会合には、サトコさんは欠席した。サトコさんに会ったのは、食事会が最後。最後も2人だけ。
この食事会、ボランティアメンバーが少しでも仲良くなればいいと思って 3~4か月に1度くらいで私が幹事となって開いている。まだ3回しか開いていないが。
しかし、3回目にして 早くも出席者はサトコさん1人。その席で、彼女が「あなたには話しておくね」と ボランティアを辞めることを教えてくれた。
子どもがもう1人欲しいのだそうだ。仕事と妊活とで手一杯だと。
妊活のことは、他のボランティアには言いたくない様子。「私も妊活をしていたよ」と、私も彼女だけにうちあけた。
「妊活」は、最近は世間に認知されつつあるが「婚活」同様に世間で軽く言われるほど、楽なものではない。簡単に話せることではない。
昨日、サトコさんから「このさき、ボランティア運営で困ったら連絡して」とのメールとともに、彼女のラインのIDが書いてあった。
とても嬉しかった。早速、IDを登録して「子どもの春休みが終わったら、ランチをしよう」と送った。彼女もすぐに「ラインでつながれてうれしい。ランチも是非に」と返してくれた。
彼女が 少し勇気をだして、連絡をくれた。だから、今度は私が勇気を出して ランチに誘ってみよう。社交辞令ではなく。
ボランティアの食事会も、誘っても1人しか来ないのでは もう止めようかと考えていたけれど、懲りずに続けてみようかな。
子どもは、あんなに早く友だちをつくって遊べるのに 大人の私はダメだなぁ。4月は勇気を出そう。