ディフィカルトなのである
隣のインド人ご夫婦の、奥様から教えていただく、お互い相手の言葉がわからない者同士の、英会話教室は順調に回を重ね、3回を数える。
回数は順調だが、私の学生以来の英会話は、不調そのもの。
それでも、奥様は嫌な顔一つせず、辛抱強く、教えてくれる。
授業は、奥様が事前に用意した、いくつかの単語の、過去形・現在形・未来形をおしえてもらい、それを用いた短文を、お互いが言う。
単語自体は学生時代に習っており、問題はないのだが、私の言う短文は、確実に間違っており、それを直してもらう。
直してもらいながら
「そういえば・・この単語と、あの単語って、同じ意味なのかな?」
と、私が質問をして脱線。
脱線して、奥様の教えてくれることに
「それって、えっと、そのぉ、あれだ・・」
と、ウンウンうなった末に出てきた、私のつたない単語とおかしな文で、また脱線。
そんな脱線につぐ脱線にも、ニコニコしながら、丁寧に1つ1つ聞き取ってくれて、正しい文に直してくれながら、授業の進みは牛歩のごとき。
脱線ついでに、発音練習も行われ。
『ノベル(novel/小説)』『ノーベル(nobel/人名・賞)』
の発音の違いを。
別の日には
『クラウド(cloud /雲)』『クラウド(crowd/群衆)』
の発音の違いを、2人で顔を見合わせ、それぞれ10分近く行った。
だが、できたような、できないような、分からぬような、やはり分からぬような。
ただ、この年までそういう発音をしてこなかった者に、一朝一夕にできないということだけは自信が確信に変わった。
それを、英語で言いたいが言えず、出てきた言葉は
" It's very difficult. "
授業は1時間だが、授業の延長のような、そうでないような雑談が、回を重ねるごとに長くなる。
近所の店の情報、家族のこと、学生時代のこと、休日に行った場所などなど、お互いつたない英語と、つたない日本語で話したり、書いたりしながら。
在宅勤務が多い、日本語が堪能なご主人が、仕事が一段落してこちらに来て、また3人で話してしまうものだから、私のお隣さんへの在宅時間は伸びてしまうわけで。
でも、ダメもとで頼んでみた英会話教室は、私にとって新しい扉が開けたような時間で、場所で、とても楽しい。
これで、英語も上達すれば、さらに新しい扉が開くのだろうが、そちらの扉は、まぁ重くて重くて・・。
えっと、そう、言うなれば・・
It's very difficult. な、訳で。