自治会の試み
私は住んでいるマンションの自治会に、入会している。
会員数は極めて少ない自治会であるが、私は楽しい。
希薄な人間関係になりがちなマンション暮らしに、知り合いができるから。
今年は、自治会主催のイベントもできた。
その自治会で、新しい試みを始めようとしている。
誰かのちょっと困っている、助けてほしいってことを、助けられる人が助けようじゃないかというシステムを作ろうと。
きっかけは、自治会イベントで、一緒に手伝っていた方々と話していた時。
自治会員に高齢者が多いことは知っていたが、家族構成までは知らなかった。
聞いてみると、1人暮らしが多い。
家族が近くにいない人も多い。
イベントを手伝えるくらいだから、自身で、たいていのことはできて生活に支障はない。
だが、廊下やトイレの高い場所の電球1個の取り換えができないという。
椅子などに乗って、そこに立ち上がるのが怖いのだと。
業者に頼んだら、電球1個の取り換えに、出張費込みで数千円かかったらしい。
腰や膝が痛くなると、エレベーターで下に降りて、少し先のごみ置き場にさえ、ごみを持っていけないという。
「若ければ、2~3日もすればよくなるだろうから、捨てずに家にためておけばいいと思うでしょうが、私たちは2~3日では痛みはひかないのよ」
そう言って、ちょっと恥ずかしそうに、その人は笑った。
そのときに周りにいた、ご高齢の人たちも、私も、私も、と頷いた。
「かといって、知らない人を家にあげるのは怖いんだよ」
「無償で来てもらうのは、お茶菓子出した方が・・とか、あまり無理言っては悪いかなって思うし」
そんな声があって、自治会でやってみようかと。
調べてみると、同じ市内で、そのようなことをしているマンションがあり、話を聞きに行った。
そこは、月に5~6件の依頼があり、500円/30分で行っていると。
そんな話を、家でしたら、小6の娘は乗り気になった。
「私も、お母さんと一緒に、お手伝いする!そうしたら、500円もらえる?」
その声を聞いて、中3息子と小4息子も
「じゃあ、オレも行く!」
と、ノリノリ。
なるほど、うちの不登校児たちには、社会が広がるのかも。
まだまだ、始まったともいえない段階だけれど、少しずつ、自治会みんなで前に進めていこうとしている。
問題山積、五里霧中な状態だが、上手くいくといいなぁと、私は、どこかワクワクしているのだ。
「トラブルばっかり!」
「あぁ、面倒!」
とか言いながら皆で準備をした、学生時代の文化祭とか体育祭などのイベントにちょっと似てるから・・。
な~んて言ったら
「そんなに甘くないわっっ!」
と怒られるだろうか。