ボク、どこか違ってなぁい?
その朝の小4息子の格好は、珍しいものだった。
長袖トレーナーと、長ズボン。
世間的には、ごくごく普通の服装だが、息子にとっては、年に1~2度くらいの珍しいもの。
彼の1年の大半の服装は、半袖Tシャツ1枚と半ズボン。
冬も、それ。
そんなんだから、冬になると、見知らぬ、特にご年配の方から
「寒くないのぉ?大丈夫?」
「あらぁ、元気ねぇ」
と声がかかるのは、もはや、あるある。
ちなみに、我が家で、子どもに薄着を推奨したことは、1度もない。
兄姉は、ごく当然に冬服を着ており、あくまでも、本人の希望。
そんな背景ゆえの、長袖トレーナーと長ズボン姿である。
その息子が言った
「ねぇ、今日のボク、どこか違ってなぁい?」
これだけ分かりやすい問題を、あえて母に問うのは何故か。
そろそろ年頃の母の脳の心配をして、認知症テストか??
それとも、この服装以外に、何か変えた部分が、実はあるのか。
木を隠すなら森の中・・的な??
しかし、ここは、まず素直にいこう。
「長袖と長ズボンかな?」
と答えると
「あったり~!!珍しいでしょ~!たまには、オレもね、こういう時があるんだよ」
そう言って笑った。
こういう時がある、そんな朝のできごと。