明るい色を身につける
30年以上昔、私が初めて行った外国は、イギリス。
そこで、驚いたことの1つが、年を重ねた人ほど、原色や、派手なデザインの服を着ていたこと。
当時の日本は、年を重ねた人が、そういうものを身につけるのは、みっともないという風潮だったと記憶する。
帰国して、そのことを、両親に話したところ「肌が白い、黒い人は、原色が似合うのだ」「目鼻立ちのハッキリした人だからこそ、似合うのだ」と一蹴された。
私も、そんなものかと、反論することもなかった。
しかし、私も年を重ねた部類に入った頃、電車の中吊り広告で「年を重ねたからこそ、明るい色を身につけよう」というのを見つけた。
ファッション雑誌の広告だったろうか。
理由は、肌がくすんでくるのに、更に、暗い色の服を着ていたら、更にくすんで見えるから。
なるほどねぇ。確かに。
自宅のクローゼットを開け、己の服を改めて見ると、黒と白、紺、灰色しかない。
肌は、改めてみるまでもなく、くすんでいる。
そこから、少しずつ、明るい色のものを選ぶようにしてみた。
最初は、マフラーや、スカーフあたりから。
洋服の上も下も明るい色にするほどの度胸も、センスもないから、上下どちらかを、明るい色のものを少しずつ増やした。
夏服は、下を明るく。
黄色のスカートを買ったときは、冒険だったけれど、案外、出番は多くて。
冬服は、上を明るく。
この冬、赤いニットを買った。
真っ赤は、まだ勇気がなくて、暗めの赤。
着てみたら、子どもたちが誉めてくれてので、気分よし。
実は、それに合いそうな、赤っぽいスカートを見つけた。
買おうかどうか迷っている。
明るい色の服が、我が肌のくすみの改善になっているのかは不明だけれど、心のくすみは改善されている気がする。
鏡の前に立って「まぁまぁ、私、いいじゃん!」と思えているから。
図々しさと、老眼でそう見えてるだけ?
それでもいいじゃん、まぁいいじゃん。