子どものリクエストで、久しぶりに、クレープを焼いた。
きっかけは、小5の娘がYouTube動画に影響され「原宿に行ってみたい」と言い出したから。
「あぁ、原宿といえば、クレープだねぇ」と私が返したところ、娘が「私、クレープ食べたことない!」と。
そうなれば、クレープを焼くのは、子どもとの間で約束されたようなもの。
もちろん、原宿へ行くことも。
そういえば、私、原宿って、最後に行ったの、いつだっけ?15...いや、20年前?
でも、初めて原宿へ行ったときのことは覚えている。
私の初原宿は、今の娘と同じ、小5のとき。
いとこ2人と、私と、妹、付き添いには、いとこの母親(いわゆる叔母)の、5人で、原宿の竹下通りへ行った。
40年前の竹下通りは、その日も、狭い道にクレープの屋台と、アイドルのブロマイドの店と、若い子で、ごった返していた。
東京に行くことなぞなかった、田舎娘の私は「テレビで見るのと、おんなじ風景だぁ」と、感激した。
歩いているお兄さんお姉さんが、みたことないオシャレな服を着て、髪型で、化粧で「東京、すごい」
お昼ごはんは、竹下通り沿いの、その日がオープンだった店に、たまたま入った。
何を食べたのかは覚えていないが、入口にも店内にも開店祝いの花が沢山飾られ、テレビカメラも入っていて「東京、すごい」
屋台のクレープも初めてで、作ってくれたお姉さんの手さばきに、きれいに巻かれて手渡されたクレープに「東京、すごい」
それが、40年経った今も、私の中の原宿なのである。
そんなことを思い出しながら、あの時のクレープとは程遠い、生地が、ところどころ焦げた分厚いクレープを焼いた。
子どもは覚えていないが、数年前に食卓にクレープは出したのだ。
覚えていないのは、そのとき、子どもに不評だったので、そのまま封印しただけ。
今回は、生クリーム、チョコレートクリーム、カスタードクリーム、ジャム、果物を用意して、子どもたちにセルフで作らせた。
私が黙々と、クレープを焼いている前で、手と口を、クリームでベタベタにして頬張る子どもたち。
この食べ方では、原宿で、歩きながら食べるのは無理だなぁ。
いや、竹下通り=クレープは、もう古い?
携帯で調べたら、今の竹下通りは分かるだろうが、ここはあえて、情報を見ずに行ってみよう。
子どもと一緒に竹下通りに立ったら、小5の田舎娘だった私に戻れるかしら?