やさぐれる
金曜日、隣の市にある室内遊技場に、小学生の子ども2人を連れて行こうと思っていた。
ここしばらく、近所のスーパー以外の外出はしていない。
家にいる小学生2人が退屈しきっているのは、十分わかっていた。
中学生は、家で1人になりたがっていた。
田舎町の平日の室内遊技場、あそこならば、どう考えても密にはならない。
遊技場の閉館時間まで目一杯遊ぶだろうから、帰宅してから家事はつらい。
だから、帰宅後の家事をしなくて済むようにと、普段は のんびりダラダラの私が、こまねずみのように 早朝から動きまくった。
洗濯も掃除も、朝食と夕食の準備もして。
さぁ、あとは子どもたちの朝食が終わって、その皿洗いが終われば、開館直後に行けそう。
『やだぁ、私ったら、子どものために 家事を終わらせたりして、やっぱり やればできる主婦なのね~』
などと1人悦に入りながら、最後の仕事をおわらせ、意気揚々と子ども達がいる居間に戻った。
居間のドアを開け、目に飛び込むは、私が先程、机にならべた朝食。
それが、机の上で空になったまま置かれている。
子ども達は、近くで寝転がりながらゲーム中。
「食べた食器は片付けて!何回言われたら分かるの!?」
ここ数年、毎食ごとに、私が子どもたちに言ってきた、おなじみのセリフを吐く。
その声に、子ども達は、私をギロリと睨みつける者あり、「うるさ~い!!」と叫ぶ者あり、無視を決め込む者あり。
これも、毎食のお決まり。
その反抗を、上手くあしらう、大人な私。
それが、いつもの我が家の食後であった。
それなのに、その日は、いつものその 子どものその態度に、何故か ブツリと 私 、キレた。
この後、子どもが喜ぶ場所に久しぶりに連れて行ってあげようと、あんなに優しい気持ちで、あんなに頑張って準備して、それが目前だと言うのに。
私の身体のどこかの糸が、ブツリと確かに音を立てた。
子ども達に、今日の予定のキャンセルと、子どもたちの態度が我慢ならないと告げて、私は 寝室の布団に潜り込んでしまった。
そこから2日間、家事をボイコット・子どもとの会話もしたくない と、そっぽを向いた。
これらの行動を、世間では何というか。
そう『大人げない』
まさに、それ。
分かっちゃいたんだ。
分かっちゃいたんだが、どうにもブツリと切れた、私のどこかが、全然修復できなくて。
反抗期真っ盛りみたいになってしまい。
土日の食事は、ウーバーイーツ三昧。高カロリー三昧。
大人げない、急に迎えた反抗期のおばちゃんが、子どもと共に無言で狂ったように肉を食らう。
朝方まで、携帯をいじって起きている。
あぁ、不良感満載。
でも、胃がもたれてる。
そういえば、私が拝見する不登校保護者のブログの名前が・・・。
今回、微笑む前に、目一杯やさぐれた。
やさぐれて、やさぐれて、微笑むことができた月曜日。
今回の教訓
『早く家事を終わらせるとか、普段やらないことは やらない方がいい。ロクなことになりゃしない』
でも、子ども達は、片づけをするようになった。
いつまで、片づけが続くか分からないが、やさぐれの効果って、多少あるのかも。