網戸絶望者がいるって話
このドラマを見て、私だけではなかったと安堵した。
何に安堵したかと言えば『網戸が外れるのが、とてもイヤだ』と、ドラマの主人公が嘆いていたセリフに。
「(網戸が外れるたび)誰か助けてくれないかな」
「網戸が外れるのは、戦争より嫌い」
主人公は、そう言ってイライラしていた。
そうなんだよね。分かるよ。分かる。私も、網戸が外れるのは、大大大嫌いだ。
戦争より・・いや、同じくらい嫌いだ。
だって、その後、うまく網戸をはめられないから。
とにかく、はめるのに 時間がかかる。
私のモットーは『網戸には、決して触れるべからず』
それなのに、ちょっとしたことで外れる。たいていは、子どもが外す。
その度に思う。
「誰か助けてくれないかな」
「今すぐに直してくれるくれる人がいたら、(アラフィフの寸胴体型のズボラでよければ)性別問わず 健康で性格が良ければ結婚してもいい」
「掃除機さえ勝手に掃除して、勝手に元の場所に戻る時代に、何故、網戸は 勝手に元に戻らないんだろう」
そんなことを考えながら 網戸を何度も何度もはめるのに、はまらない。
何度も何度もしているうちに、泣けてくる。
「私は何をしているのだろう」と、本当に涙を流しながら直すのだ。
網戸を、はめられないことに。
網戸ごときが、はめられないことに 涙がでる。
「劇的ビフォーアフターでみた業者さんは、あんなにも簡単に、網戸をはめていたのに!何故に、私はできないんだ」
「網戸さえはめられない私は、もう生きている価値がない」
「タイムマシーンに乗るのは今だ!網戸がはまった未来に行きたい!今すぐ!」
と、アラフィフの女が、大きな独り言を言いながら泣くのだ。
これは、外から見たら 身の毛もよだつホラーだ。通報されても仕方ないだろう。
でも、涙も独り言も止まらない。
本当は業者さんを呼びたい。お金も払う用意はある。
だが、こんなレベルで呼んで良いものか?と悩む。
私が業者なら「網戸が外れたくらいで、プロの俺様を呼ぶバカがいるか??」と怒るだろう。
やはり、呼べない。
夫に頼んだこともあるが、数回やって「あっ、ムリ」とさじを投げた。
でも、このドラマを見て 世の中には網戸が外れることが苦手を通りこし、本当にイヤだと言う人が私以外にいることに、いたく、いたく共感した。
要は何が言いたいか。
ねぇ、どうして、網戸ってこんなにはめるのが難しいんだろう。
それでもって、あるとき突然ふいに はまるのは何故だろう。
国民栄誉賞は、網戸を簡単にはめられる人にあげるべき。
最後に。
何事も、この世の中『私しかいない』ってことは、ない。
たかが、網戸。
されど、網戸。
因みに、現在 我が家は、網戸が外れている 。