知らぬのタピオカ
先週、久しぶりに小1の息子がフリースクールに行きたいと言うので、車で送っていった。
小3の娘は、フリースクール会員ではないので弟の見送りをしたいと、一緒に車に乗った。
娘の狙いは、弟の見送りなんて殊勝な理由であるはずがない。
弟をフリースクールに送ってから、私に どこかに連れて行ってもらおうというのが目的。
息子をフリースクールに送りとどけると「ねぇ お母さん、どっか行こうよ~」
ほら来た。
「(今、車を駐車している)この広い公園を散歩なんてどう?」と聞いたら、お話にならない!とばかりに首をふる。
「じゃあ、そこの商店街をブラブラってのは?」
ニンマリして「いいね~」
狭い道の左右に 小さな店が並ぶ、ザ・商店街をブラブラ。
ファストフード店に、コンビニ、100円ショップ、ケーキ屋、和菓子屋、いい匂いはケバブだ!
右に左に娘の首は動くが、どこもイマイチらしい。
突然、娘の歩みが遅くなり 目がキラリ。
視線の先には、タピオカ屋。
これは、娘の大好物。
お目当ては、ココだな..と思ったら通りすぎた。
20~30M通りすぎてから「う~ん、ちょっと戻ってみようかなぁ。いいかな?お母さん」と。
やはり、タピオカ屋で立ち止まり「これがいいなぁ」
数十種類あるだろうか、店先のメニューの看板を入念にチェックしてチョコレート味のタピオカを注文。もちろん、Lサイズ。
タピオカといえば、ミルクティーじゃないんだなぁ。
ここでも、世間の流行に 私は乗り遅れていた。
テイクアウトにしてもらい、娘は ニッコニコ。
「お母さん!早く車に戻ろう!早く帰ろう!」
ゲンキンだなぁ。
「兄と弟の分は どうする?何かないと怒るよ」と私が言うと
「あっ、それなら来るときにあった自販機のジュースでいいんじゃない?」
「私、選ぶから。あの2人の好きなジュースは分かってる」
と、ジュース2本を 自販機でポンポンと選んだ。
「お兄ちゃんは 炭酸が好きだから、これかなぁって思って」
「弟くんは、カルピス好きでしょ?」
「私ね、もう2人は これだな!ってす~ぐわかっちゃったんだから」
そう多少恩着せがましく、兄と弟にジュースを選んだ経緯を説明する娘。
タピオカには興味がない兄と弟は、大いに喜んだ。
しかしながら、妹のタピオカが 自分たちのジュースの数倍の値段がするとは知らないだろう。
母は知っているよ。
だけど、言わぬが花。知らぬが仏。
知らぬは男ばかりなり。