歌の思い出
最近、朝食などを作りながら音楽を聴く。
20年前くらいのアップテンポな邦楽が好き。
ミスチルや、B'z、スキマスイッチなどなど 各々1曲ずつ聴きながら いつも最後にいきつくのは米米CLUB。
高校生のときに 初めて行ったライブが、彼らのだった。
同じクラスの仲良しの女の子が四六時中、米米CLUBの話をしていて「そんなに言うなら」とライブに一緒に行くことにした。
初めて行ったときは、米米CLUBの代表曲となる「浪漫飛行」などが出る少し前だったろうか。
爆発的人気まではいかなかったが、ジワジワ人気がきていた。
チケットをとるのは大変だった。
ネットも、携帯もない時代。
学校には持ってきてはいけない「ぴあ」をカバンにしのばせ、授業と授業の10分の休み時間に学校に1台きりの公衆電話へダッシュ。
なんたって、学校に1台きりの電話。たいてい並んでいた。
そして、ようやく受話器を手にして指定された番号にかけるが、いつもお話し中の「ツーツー」ばかり。かかるのは奇跡にちかい。
後ろには、人が並んでいて 何度もかけられない。
そんな状況で、奇跡的に手にしたチケットで行った武道館。満員だった。ステージまでは、果てしなく遠い席。
でも、何だか興奮した。
耳をつんざくような音量と、まばゆいステージのライトにびっくりしながらも 周囲が踊るのを真似して、ステージに向かって手をふったり声をあげた夜。
そんなことを頭の片隅で思い出しながら 手を動かし、足を動かし、家族に声をかけている、朝。現在。
一緒にライブに行った仲良しは、年賀状でやりとりするだけになってしまった。今度の年賀状には、米米CLUBのことでも書いてみようか。
彼女は、あの夜のことを覚えているだろうか。