吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

兄と弟、ベランダで風に吹かれて

お題「エモい気持ちになる瞬間」

 

時折、中3息子が

「風が気持ちいいんだよ」

と、自宅のベランダに1人出る。

 

ベランダに出るときは、片時も離さないゲーム機は室内に置き、遠くを見ている。

 

本人曰く

「1人で」

というのが良いらしく、私が洗濯物を干しにベランダに行くと、スッと部屋に戻ってしまう。 

 

しかし、その日は、小4弟も一緒に、ベランダにいた。

 

2人は、横に並んで立ち、もうすぐ日が沈むという中、お互い隣を時々見ながら話をしている。

 

ベランダを閉めきってしまうと、声は聞こえない。

 

5才ちがいの兄と弟である。

 

小4のおこりんぼうの弟は、中3兄にケンカをふっかけたり、イライラをぶつけることが多い。

 

弟にとって、遊び相手であり、世話を焼いてくれるのは、すぐ上の小6姉。

 

距離は近い相手だが、彼女にケンカをふっかけようものなら、即、数倍の返り討ちにあうので、絶対に歯向かわない。

 

対して、5才ちがいの兄は、あまり遊ぶことはないが、どんなに文句を言っても、たいてい

「ハイハイ、分かった、悪かったよ」

というだけ。

 

弟からすれば、年が5つ離れていようが、30センチ背丈が違おうが、兄は言いたい放題言える相手なのだ。

 

けれども、兄からすれば、そんな弟の全力の威嚇も、自分がちょっと吠えれば、たちまち泣き出す子犬がキャンキャン騒いでいる程度のこと。

 

さて、夕暮れのベランダ。

 

大型犬と、今日はおとなしい子犬。

 

いつもはベランダで「1人」の大型犬も、子犬を追い払わない。

 

「珍しい組み合わせだね」

「何を話しているんだろう」

「大したこと言ってないよ」

と、娘とベランダの2つの背中を見ながら、クスクス笑った。

 

「エモい」

今風にいうと、こういうことなのかな。