ピザハットがスポンサーだから書いたわけではないけれど、私が初めてピザを食べた場所はピザハットだった。
当時は「宅配ピザ」なんてなかった。
子どもの私が食べていたのは、いつも冷凍ピザだった。
正直、それほど美味しいと思わなかった。
あるとき、駅の近くにピザハットのレストランが出来た。
何度もそばを通ったけれど、親は入ることをなかなか許さなかった。
その店を通るといい匂いがして、ショーケースには冷凍ピザとは違う美味しそうなピザのサンプルがあった。
レストランに嬉しそうに入る人と満足そうに出てくる人。
そしてその声。
臭覚・視覚・聴覚は満たされているのに、肝心の「味覚」が、1番大事な「味覚」だけが満たされない日々が続いた。
そして、ようやくようやくピザハットに入って食べたピザは、生地がモチモチして上にのったチーズがのびることのびること。
ピザの上にのっけられた具も大きくて沢山あって。
おまけ程度の薄いピーマンとサラミだけがのっている冷凍ピザとは大違い。
「アチッ!アチチ」と言いながらハフハフと夢中でほおばった。
「本当のピザってこんなにも美味しいのか」と子ども心に感動した。
それから、宅配ピザもできて ピザも色々食べたけれど ピザハットが私には今も特別だ。
特別と感じるのは、もう1つ理由がある。
今まで何度も引っ越しをしたのに、どういう訳だか「ピザハット」の宅配エリアの範囲外なのだ。
ピザハットのレストランにいたっては長らくお目にかかっていない。
あぁピザが食べたい。