吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

夜行列車  

お題「夜行列車の思い出」

 

私の通っていた高校は、女子高だった。

 

女子高の長所であり、短所は、周囲が同性ばかりなので、多方面で緊張感がなくなること。

 

さて、私が、夜行列車に初めて乗ったのは、高校の修学旅行のとき。

 

行き先は、九州。

 

当日は、東京駅に集合し、テンションMaxの思春期女子の団体が、ピーチクパーチク、先生に注意されながら、夜行列車に乗り込んだ。

 

ほぼ貸切であったろう列車に乗り込んで、最初にすることは、制服から、動きやすいジャージに着替えることだった。

 

着替えていると、先生が、なにごとかを大声で言いながら、向こうから走ってくるのが見えた。

 

「まぁったく、どこにいても、よく怒鳴る先生よね~」

と、私たちは笑いながら、ものすごい形相で走ってくる先生をみていた。

 

その声は、だんだん近くなり、その言葉も鮮明になり‥何を叫んでいるのかと思ったら

「着替えのときは、窓のカーテンを閉めなさ~~~い!!!!」

 

そう、まだ列車がホームに停車中、それでなくても沢山の人がいる東京駅で、私たちは、着替えをしていたのだ。

 

後で聞いたら、カーテンを閉めて着替えたところは1つもなかったらしい。

 

当の本人たちは、特段、恥ずかしいとも思わず

「あら、そういえば忘れちゃっていたわね」

とケロリ。

 

数百人の女子高生が、電車に乗り込んだかと思ったら、やおら、目の前で着替えをはじめる・・今の私がそんな光景を見たら・・。

 

女子高マインド恐るべし。

 

たぶん、当時も、ホームにいた親切なおば様が、駅員に進言してくれたのだろうか。

 

周囲を仰天させて始まった夜行列車の旅は、やっぱり眠れなかった。

 

夜中に停車する誰もいない真っ暗な駅。

 

普段あまり喋らない友人と、狭い列車の廊下で会って、ガタンガタンというBGMのなか、真っ暗な窓辺で、何となく話をした。

 

朝焼けの中、列車の窓は知らない景色。

 

非日常だな、旅をしているんだなって思った。

 

帰りは、飛行機でひとっ飛びで、行きにあれだけの時間がかかったのが嘘みたいで。

 

結局、あれから夜行列車に乗っていない。

 

あの夜行列車が、あの時間が、とても貴重だったのだなと、時が経てば経つほどに感じる。

 

ゆっくり時間をかけることって、素敵なんだよなぁ。