吾輩はズボラなるままに

15才、中1、小5の3児のママです。子ども全員明るくニート&不登校中。ズボラ万歳で過ごしています!

温故知新

小5息子が、最近、通信ゲームをするようになった。

 

相手は、月に1度の、子供同伴OKの不登校保護者のランチ会で、いつも会う不登校の子。

 

だが、息子は相手の子を

「あの子とは気が合わないんだ」

と言って、ランチ会で会っても、長いこと挨拶すら交わさずだった。

 

だが、そのうち少しずつ話をするようになり、気付くと隣同士に座りキャーキャーワーワー。

 

そんな関係の2人が、少し前に、ようやくお互いにライン交換をした。

 

そうして、家に帰ってから連絡をとり、お互いの自宅から、同じゲームで遊ぶように。

 

ゲームの詳細は分からないが、相手の子の声が、こちらにも聞こえてくる。

 

先日は、ゲーム上で、かくれんぼをしているようで

「どこにいるの?全然見つからないよ~!」

「ヒントほしい?○○の近くだよ」

「あっ!みつけた!待て~!!」

 

昔からある遊びを、ゲーム上でするなんて、今と昔がごちゃ混ぜになっているみたいだ。

 

そういえば、私が、このくらいの年齢の時は、携帯電話なんてなくて、連絡手段はお互いの自宅の電話。

 

私の家の電話は、昔懐かしの黒電話で、留守番電話機能もなかったし、通話中の着信もわからない。

 

だから、家族に

「早く切りなさい!お相手に迷惑でしょ」

「○○さんから電話があるかもしれないから、早く切って!」

なんて言われたっけ。

 

今の、1人1台の電話、それも持ち歩きできて、その上、インターネットにラインだの、動画だの・・・、今の目の前の状況を、あの頃は、想像すらできなかった。

 

・・なんて思い出したら、もう1つ、思い出した。

 

よく聴くラジオの、リスナーからのメールのこと。

 

コロナ真っ最中のころ、会社で秘書業務をしているというリスナーからで

『ある役員から、オンライン会議を設定してほしいと言われました。

役員からの要望は

・相手は1人

・共有する資料はない

・短時間で終わる

この場合、どのオンラインシステムを使うべきか?

そう問われたリスナー

「電話がよろしいかと」

と返事をしました』

 

私も、世間も、新しいものに、つい目が向きがちだけど、ところがどっこい古いものも、なかなか・・。

ケンカの終わり方

小5弟と、15才兄のケンカが、1時間以上も続いた。

 

きっかけは、中1妹が持っていた手作りのキット。

 

そのキット、作業が細か過ぎると、中1妹がギブアップして放り出したものを、15才兄が

「オレ、暇だから作ってみようかな」

と引き継いだ。

 

しかし、引き継いだはいいものの、すぐに

「部品が足りない」

「難しい」

と文句を言い出し、イライラ。

 

そのうち、傍にいた、小5弟が、そんな兄につっかかりだした。

 

それも、昔のケンカのことを引っ張り出し、これまでの兄の言動の、あれが気に入らない、これが癇に障ったと。

 

彼らのケンカの理由は、たいてい、こんな感じで弟がゴングを鳴らし、目の前の問題そっちのけで、過去の言動をほじくり返す。

 

今回も、中1姉の制作キットに、兄がイライラしている状況で、弟には全く関係ないのに、弟がケンカを始めるという状況。

 

こんなとき、親の私は、知らぬ存ぜぬのフル無視を決め込む。

 

口喧嘩レベルに第三者が入っていったところで、良い結果は生まないので。

 

台所で、2人の喧嘩を横目に見つつ、ふと、私は、不登校保護者のお話会のことを思い出した。

 

そこでは、子どもが不登校になった理由の1つに

『先生の怒る声が怖いから』

というのが、よく聞かれる。

 

たいていは、不登校になった子が怒られたのではなく、誰かが怒られている状況が、とてつもなくイヤで恐ろしくてというもの。

 

もしかしたら、小5弟は、これに似ているのではないだろうか。

 

兄がイライラした空気をだすことが、誰かが負の空気を出すことが、弟は凄く苦手なのではないだろうか。

 

不登校児は、そのイヤな空気を回避するために、相手が先生では太刀打ちできないと、学校から距離をおいた。

 

だが、弟は、相手が兄ならばと、つっかかっていく。

 

「イライラ感を出すなよ!それが嫌なんだ!」

と言えばいいものを、その言語化が未熟なゆえ?自分でも本当の理由に気づかず?兄との昔のケンカを引っ張り出して

「あのときも、このときも、全部嫌だったんだ!」

と、結果的に、ちょっと的外れなことを言ってしまうのではないか。

 

そう思うと、これまでの、的外れな理由からの兄弟ケンカも、腑に落ちる・・。

 

なんて思っていると、兄が弟にむかって

「おい!見てみろ!オレたちのケンカを、お母さんも、妹もフル無視しているぞ!

それがどういうことか分かるか?

オレたちの、この時間は、全部ムダってことなんだよ!!」

 

兄の言葉に、はたと周りを見渡す弟。

 

ケンカのきっかけとなった、キットの持ち主である中1妹は、イヤホンをしながら寝転がって、ゲーム中。

 

母は、台所でイヤホンをしながら映画鑑賞中。

 

男2人、試合終了。

 

女2人、ちらりと目くばせをした。

ランドセルは、もう眩しくない

最近、ボランティアで、子どもの見守りのようなものを始めた。

 

廃校舎で、週に1度、小学生を預かるというもの。

 

もともと、毎月開かれる、不登校児の保護者対象のランチ会の主催者が、ずいぶん前から1人でしていた。

 

その手伝いだ。

 

彼女は、前任者から、この見守りボランティア引き継いだものの、自分以外に手伝ってくれる人がなかなか集まらず。

 

かといって楽しみに来る子どもに

「来ないで」

とも言えないから、具合が悪くても、毎週1人で開けているという。

 

彼女は、見守り中、別に何をするわけでもない。

 

子どもたちに請われれば、一緒にゲームをしたり、お喋りをしたり。

 

それでも、見守る目が、自分1人なのが不安なのだと言う。

 

それは、そうだろう。

 

さて、手伝い初日は、昼頃に行ってみると、お子さん2人が、お互いのゲーム機をのぞきこみながら、楽しそうに話していた。

 

平日昼間に、ここにいるということは、2人とも不登校児である。

 

ちなみに、そのうちの1人は、彼女のお子さん。

 

広い広い校舎と、グラウンドに、大人2人と子ども2人だけ。

 

この廃校舎に人が入るのは、この週に1度の、このときだけという。

夕方になると、近所の小学校に登校していた小学生たちが、ワラワラと集まってきた。

 

皆『勝手知ったる我が家』とばかりに、ランドセルを放り出し、ワーワーキャーキャー。

 

午前中からいた不登校児2人とも顔馴染みらしく、彼らも混ざって、ワーワーキャーキャー。

 

学校でのことを、ある子どもが話し出し

「オレ、学校行ってないから、そういうのわかんねぇ!」

と、不登校児が、あっけらかんと言うと

「あっそうだったっけ!でもさ、聞くだけ聞いてよ~」

と、登校児も、あっけらかんと返す。

 

うちの娘のように、こういう集団が苦手な不登校児もいれば、平気な不登校児もいて。

 

当たり前だけど、不登校児も、十人十色。

 

もちろん、登校児だってそう。

 

登校と不登校を、高い壁で分けたのは、結局は大人なのだと感じた。

 

数年前まで、ランドセルを背負う小学生が眩しくて、羨ましくて、そして泣けてきて見られなかった。

 

そんな私が、こういうボランティアをするとはねぇ。

ケーキを買ってお家に帰ろう

まだ、小5息子が、私の実家にいたときの話。

 

その日は、以前から息子が大好きな、戦隊モノの映画を、2人で観に行く日。

 

息子の本拠地は変わったものの、父の病院へ面会に行くのに、母も一緒だったので、母の送迎時、ちょくちょく息子とは顔は会わせていた。

 

それでも、久しぶりの息子と2人の時間。

 

前日から、何となくウキウキしている自分がいる。

 

いつも通り、息子の好きな音楽を車内にかけて映画館へ向かい、息子が飲み物を買って、チケットを入り口で見せて、中へ。

 

そしていつも通り、となりの席の息子に

「映画、終わったよ」

と肩を叩かれ、私は、失神から意識を取り戻した。

 

「お昼ごはん、どこかで食べる?」

と、息子に尋ねると、最初は首をふったが、まもなく

「えっとぉ…やっぱり食べたいかも…」

 

向かいあった食事の席で、映画の感想を聞くと

「超~良かった!!これは、スクリーンでみて正解!!」

と、興奮しながら語ってくれた。

 

だが、失神していたし、予備知識も皆無な私には、サッパリ分からなかったけれど、息子の語りをジャマしない相槌だけはうてた。

 

相槌をうちながら、息子が楽しそうに話すなら、これがラテン語で話されようとも、私はニコニコ相槌をうてると確信しながら聞いていた。

 

要は、息子の戦隊モノ話が、ラテン語に聞こえた。

ちなみに、ラテン語は、聞いたことないけど。

 

こんなことを考えながら聞いているから、何年にわたる、息子からの戦隊モノのご教授も、右から左なのだろう。

 

食べ終わり、駐車場に行く途中に、食品売場があった。

「ばぁばに、何かお土産を買っていく?」

と尋ねると

「オレ、財布持ってきてないし、そもそも最近は稼いでないから、お金もない」

と言う。

 

我が家は、家事などの手伝いをして、自分のお小遣いを稼ぐ方式をとっているせいなのか、変なところで経済観念と、遠慮を発揮する。

 

それとも、不登校の子どもあるある、の1つ

『親の懐具合を心配する』

なのか?

 

いや、ただ私が怖いのか??

 

なんて考えつつ

「私が言い出したことだから、私が払うから、あなたは何にするか選んで」

と言ったら、嬉しそうに選び出した。

 

結局、ケーキ屋さんでモンブラン

 

「あなたの分も買っていいよ」

と何度も言ったが、頑なに、息子は首をふった。

 

ところが、ケーキ屋から離れて、1分もたたず

「あのさぁ、やっぱり…オレもケーキ欲しい」

と言い出して、まわれ右。

 

大好きなチョコレートのケーキを買って、実家へ戻った。

 

息子、ケーキを傾けないようにと、いつもリクライニングをいっぱいに倒している車内で、姿勢を正して座っていた。

 

誰かに買っていくケーキのお土産は、この緊張感と、相手の喜ぶ顔が交わる時間だったな。

 

少し前、観劇後に買った家族へのお土産ケーキを持っていた娘も、そんな顔をしていたっけ。

 

私の運転も、いつもより気をつけて。

 

さぁさぁ、ケーキ様のお通りだ!

寝GW

連休前日、私自身、朝から体調が、いまいち良くはないなと思った。

 

しかし、その日は父の入院先で、今後の父のことを、スタッフの方々と決める面談日。

 

父は、3月に骨折をして運び込まれた病院から、リハビリ病院へ少し前に移った。

 

最初の病院は、車で1時間弱だったが、転院先はさらに遠くなった。

 

これは、私に

「運転技術をさらに磨け!」

と、神が仰っているにちがいない!!…知らんけど。

 

なんてことは、実は本題ではなく、冒頭の体調不良は、時間が経過するうち、みるみる体調不良っぷりがハンパねぇ!となり。

 

これは頑張ってもロクなことにはならないと、過去の実体験から感じとる。

 

よって、その日のスケジュールを全キャンセル!!…というほどのスケジュールはなかったが、ここでだけ言ってみた。

 

幸い、父の病院に連絡したら

「こちらも、ちょうど都合が悪くなり、日程変更を連絡しようと思っていた」

と言われて、ちょっと安心。

 

安心したら、そこから、頭痛・腹痛・発熱・下痢のオンパレード。

 

病院に行くほどではなかったが、結局、連休前半は、トイレが相棒、後半は寝床が相棒。

 

久々に、長く寝こんだ。

 

少し前までは、子どもたちが気になって、おちおち寝られなかったが、今や、ズボラ母のもと

『自分の食べるものは、自分で何とかする!』

と、簡単な自炊が日常の子どもたちには、母の体調不良なぞ、通常運転。

 

我が家は、食べ物さえあれば、部屋が汚れようが、洗濯物が溜まっていようが、モーマンタイ(無問題)

 

その点だけは、良かった、その点だけは。

 

その点以外は、悲惨な光景が、いたるところに見えたが、それを気にする余裕が、こちらもなかったので、モーマンタイ。

 

よって結果的には、ゆっくり休めた。

 

また、いいことが他にも。

 

ばぁば宅から帰還したばかりの、小5息子が、

「隣にいたいんだよぉ」

と、甘えまくり、ピッタリ私とくっつきながら、日中ゲームをしていたこと、

 

中1娘が、ちょくちょく

「大丈夫?」

と寝室をのぞいてくれたこと、

 

15才息子が、1日1回、無言で見に来てくれたこと、

 

夫が、子どもを映画と外食に連れ出してくれたこと。

 

そんなこんなの連休だったが、たまには、病気もいいもんだ。

 

お陰で、5キロも痩せた!!(たぶん、光の速さで戻るのだろうが)

 

でも、トイレと相棒は、ごめんだ。

小5息子、ばぁば宅へ行く

少し前のこと

「オレ、ばぁばの家に行こうかな!」

そう言い出した、小5末っ子。

 

『ばぁばの家』

とは、車で30分ほどの私の実家。

 

ちなみに、只今は入院中だが、じぃじもいる『ばぁばの家』

 

彼のこの宣言は、昨年から何度となくあった。

 

その度に

「ばぁばに連絡して、いいよって言われたら、行っていいよ~」

と返したが、実行されることはなく。

 

これは

「行かないで!」

「寂しいよ!」

を、私に言って欲しいのかと、探りをいれたが、そうではないよう。

 

この行く行く詐欺?宣言が、今回は早々に、自ら連絡を入れ、瞬く間に、行くことに決まった。

 

それも、帰宅日未定と言う。

 

その後、大きなリュックに洋服などを、いそいそ詰めて準備万端。

 

翌日、私が送っていった。

 

「キャンセルの連絡があるかと思っていたけど、今回はホントに来たのね」

と、玄関で笑いながら、私だけに母は本音を漏らし、孫には

「お家より、お手伝いしてもらうからね!覚悟して!」

と言いながら、早速に、彼の大好物のチャーハンをふるまった。

 

父が入院して

「話し相手がいない」

と寂しがっていたので、ちょうど良かったかもしれない。

 

結局、ばぁば宅に3日居て、自宅に戻り、また2日後に行って、そこから3週間いて、GW前に自宅に戻ってきた。

 

母からは、その間、ちょくちょく連絡はあり、特に最初の泊まり2日目夜には、

「たまたま、兄姉と本人との幼少時エピソードを話したら

" そんな話しないでよ~ "

って、突然泣き出しちゃってね。

それで

" 帰りたいなら、お母さんに電話してごらん? "

って言ったら、すぐ電話して。

その後、あっという間に荷物をまとめ始めたわよ!」

と、笑って報告が。

 

ばぁば宅からは3日で帰宅したのだが、本人はそんなことは、みじんも見せず。

 

その2日後に

「やっぱり、ばぁばの家に戻る!」

「ばぁばの家の方が、ご飯美味しいし!」

と言ったときには、私より母が驚いた。

 

結局、その後3週間ばぁば宅にいた理由は、ご飯もさることながら、彼に与えられた初めての個室が本当のところらしい。

 

確かに、兄とケンカすると、個室を切望していた。

 

だが、個室といっても、和室で、そのふすまを全部開け放していたようだ。

 

「夜も、ふすまを開け放って、その部屋はもちろん、部屋の前の廊下、隣接している居間の電気をも、こうこうと照らした中で、毎日寝ていた」

「途中で、居間の電気を消したら、朝にはまたついていた」

と、母から報告あり。

 

ちなみに、生まれて以来、自宅では豆電球だけつけて寝ているが。

 

ばぁば宅から、片道徒歩40分の道を、1人でフリースクールに、平日は毎日通った。

 

途中、道を間違えたり、携帯の充電がなくなったのに寄り道をしすぎて、プチ迷子騒動になったりしたが。

 

本人曰く、次回、ばぁば宅に行くのは、現在未定と。

 

さて、今回のこと、今後、彼はどんな風に感じていくのか、楽しみ。

JCとCJの非日常

少し前に、会費を払うと、毎月運営側から適当な劇のチケットが送られてくるというものに、入会してみた。

 

幾分、普通にチケットを買うよりも、お得。

 

このサブスクに手を出した理由は2つ。

 

1つは、不登校だけど、外出は好き、だけど1人ではイヤな中1娘のため。

 

もう1つは、生粋の出不精&グータラの私が、人生初、自ら何故か急に掲げてみちゃった今年の目標

『行動範囲を広げる』

を満たすため。

 

特段、私も娘も劇に興味があったわけではない。

 

なので、運営側(AIなのかな?)が選んでくれたものを、毎度、素直に観に行くことにしている。

 

他人の選ぶものって、自分の選択肢にはないものがある。

『何だ、これ??』

を嫌がる方向より、面白がることにした。

 

だって、この分野、私たちは、ズブの素人なのだし。

 

さて、このサブスクから送られてくるチケット、毎度、劇場が違うものの、場所は、お江戸中心部。

 

これもまた、お江戸外の不登校外出好きJCと、行動範囲拡大キャンペーン中のCJ(中高年女子)には、多少の緊張感と興奮が得られ、良い。

 

4月は、渋谷の劇場で、ロミオ&ジュリエットだった。

 

行きの電車内で、キャストも監督も、すべて外国人らしいことを知る。

 

有名すぎる物語とはいえ

「セリフは、英語?」

「同時通訳のヘッドフォンでも貸し出されるのかな?」

なんてことを、娘と話ながら向かった。

 

観劇初心者は、しっかりとした予習はしない…したところで分からないので『百聞は一見に如かず』精神で、いざ!

 

さて、10年以上ぶりの渋谷。

 

駅を抜けて、見上げた街は、私の、うっすらあった記憶を、一刀両断。

 

心配していた劇は、全くセリフなしの表現だけのもので、いろいろ設定もストーリーも変えていたが、とても面白かった。

 

セリフなしで、伝えるのは、相当なご苦労があっただろうに…軽々と行っていた動作も、同じ人間とは思えず…が、ズブの素人の感想。

 

終わってから、渋谷の街を見ながら、娘と少し遅めのランチ。

 

観劇を始めての最初のうちは、娘は、すぐに帰りたがったが、少しずつ、こうやってゆっくりするように。

 

お腹が満たされ、そういえば…と、私の灰色の脳細胞が動きだし、昔々、好きだったケーキ屋を思い出した。

 

糖分補給の完了した灰色の記憶細胞にムチ打ちながら歩いたら、路地裏のその店はあった。

 

ガラスケースの中のケーキを、真剣に選ぶ娘を、少し離れて見る。

 

ここの店に来るときは、いつも私1人だった。

 

その店に、初めて2人で来ている。

 

観劇すると、感激が、ちょこちょこあるんだな、これが。