私の歯みがき
電動歯ブラシ「ドルツ」特別お題キャンペーン #はてなブログ歯みがき週間 「私の歯みがき」
Sponsored by Panasonic
実家の洗面所には、3分用の砂時計があった。青い砂に、木枠の砂時計。
1人で歯磨きをするようになって「この砂がぜんぶ落ちるまで歯磨きするのよ」と、母が置いた。
砂がサラサラと落ちる様子がおもしろくて、近付いて見ていると 肝心の歯をみがく手が止まって よく母に叱られた。
それが見飽きた頃には、悪知恵がつく。
どうやったら、砂時計が早く落ちるだろう。早く歯磨きを終わらせて、テレビがみたいよ!マンガが読みたいよ!
歯磨き中は、洗面所から別の部屋へ行くことは禁じられていた。砂時計が早くおちないかと 振ってみたり、叩いてみたり。
しかしながら、結果は あまり変わらない。青い砂つぶは、私の妨害も ヘノカッパで サラサラ、サラサラ いつも一定。
仕方なく こっそりもってきたマンガを読んだり、洗面所の鏡に向かってモデルのようなポーズをとったり。歯みがきの手はあまり動いていない。
ところで、私の通っていた小学校では スポーツや作文、絵画などで良い成績がとれると 全校集会で皆の前で表彰される。
そんな晴れがましい場所は、私には無縁であった。
最初のうちは、表彰される子が羨ましかったが 小学校6年生にもなると「あの場所に自分が立つなんて無理だ」とわかる。
ところが、6年生もあと数ヶ月というころ 私がなんと全校集会で表彰されると、全校集会数日前に言われた。
待ちに待った!と喜びたいところだが、私は喜べなかった。
表彰理由は「虫歯も治療した歯も1本もない。キレイな歯」だという。
歯がキレイ・・ねぇ。
他の表彰される人は 陸上大会でメダルをとった とか、絵画コンクールで優秀賞とか、自分の努力のすえのものだ。カッコいい。
なのに、私は「歯がキレイ」って。微妙すぎだろ。
だって、私が頑張ったことといえば、歯ブラシを口に突っ込んだまま、砂時計を傾けたり振ったりして どうやったら、早く落ちるかしたくらい。結局、早くなんて落ちなかったし。
たぶん、私は生まれつき虫歯菌が少ないのだ。それは、私の努力じゃない。
学校のみんなだってビミョーとか思うよね~。あぁ、全校集会休みたい。全校集会の日、風邪引かないかなぁ。
そういうときに限って、風邪はひかない。
当日、私の順番は どういうわけか1番最後。
私の前は 華々しい書道だの、吹奏楽だのの表彰。まぶしい。まぶしすぎる。
この中で、オオトリが「歯がキレイ」って。それも、何の因果か、その表彰者は 私1人。
どうやって賞状を受け取ったのか覚えていない。
ただ、賞状が今までもらった賞状より大きくて紙も厚かった。なるほど、皆のまえでもらう賞状は 紙からして違うもんなのかと思った。
あれから、30年以上。今も、虫歯はない。
しかし、歯医者では誉められない。「歯茎が腫れていますよ」「細かく歯ブラシを動かしましょう」「歯間ブラシは、こう使って・・」「頑張りましょうね」
虫歯が少ない人は、歯周病になりやすいそうだ。
やはり、楽してもらった賞状効果はうすい。ツケは やってくる。
アラフォーになって、歯医者さんの言うことが心に響く。歯ブラシも、歯間ブラシも、アラフォーになって お気に入りのものができた。
今は、砂時計の代わりにキッチンタイマーで3分。
せめて、この先も 虫歯にはならないようにしようと 歯をみがく。
虫歯菌が少ない体質は有難い。虫歯と歯周病2つをかかえていたら、ズボラな私なんかは すでに歯が数本抜けていたろう。
そう、あとは 私の努力だ。ズボラには、それが 問題だ。
でも 今度は、自分の努力のすえ 賞状をもらっていた彼らのようになりたい。なれるチャンスだ。
それにしても、まったく3分は長い。キッチンタイマーは、傾けたら早くなるんだっけ?