小5娘が、朝、ちょっとだけ登校をするようになった帰り道、パン屋に寄って、朝ごはんを買った。
小さな店だが、美味しいので、昼すぎには、売りきれのパンも少なくない。
その店で、兄と弟を含めた子ども3人分のパンを、娘に選ばせた。
食いしん坊の3人は、各々、同数のパンでなければいけない。
ところが、帰宅してみたら、クリームパンが1個余計にあった。
どうするのかと思ったら、3人でジャンケンをして、勝った人がもらうことに。
勝ったのは、小3の末っ子。
こんなとき、いつもは悔しくて泣いて怒る小5娘が、何事もなかったかのように黙っている。
中2息子も黙って、受け入れている。
いつもと違う姉の状況に、ちょっと居心地の悪さを感じたのか、勝った末っ子が
「やっぱり、クリームパンを、皆で分けよう!」
と言い出した。
その言葉が言い終わらないうちに、小5娘が、台所引き出しからナイフを持ってきた。
早い・・。
娘、ジャンケンに負けて泣かないと思っていたら、この状況を予測していたのか??
ところが、いざクリームパンを前に、小5娘がナイフを持ったまま動かない。
「どうやって3つに切ったらいいの?」
本人は、ホールケーキを切るようなイメージしかなかったようで、半月状のクリームパンを前に手が止まった。
頼りになるはずの中2兄は、昼夜逆転中で
「これから寝るから。オレのパンは食うなよ!!」
と言い残し、さきほど寝室へ。
「人参とか大根を切るみたいに、3つに切ってみたら?」
そう私がアドバイスしたら、天才だ!と絶賛してもらった。
喜んでいいのか分からず苦笑い。
苦笑いしながら頭に浮かんだのは、先日、少しだけ読んだ、ケーキを等分できない子どもたちを描いた漫画。
ちょっとだけブルーになったけれど、まぁいいか。
知らなかったことを1つ覚え、平和的決断により、余計に買ったパンは、無事に3人全員のお腹におさまる。
余計な考えでブルーになるより、それをした我が子たちを、誇りに思うことにしようっと。