己のズボラかげんを呪った。
5月の太陽をナメていた。
日焼け止めを忘れ、数十年ぶりに日焼けをした。
それというのも、週末、中1の息子が所属するボーイスカウトに付き添ったから。
ボーイスカウトの保護者の役割は 送迎だけなのだが、今回の活動場所が少々遠方。
その割に3時間で終わるので、一度自宅に戻ったところで また迎えに来なければならない。
「だったら、保護者も一緒に活動をサポートしてください」
と言われ、久しぶりに付き添ったわけで。
今回は、息子たちの下の小学3~5年生が所属するグループが釣りをする。
それを上の年代のグループの息子たちが、サポートをするというのが 活動内容。
というのは表向きで、実のところはサポートしつつ、息子たちのグループも一緒に釣りをしちゃおうかというのが、ホントのところ。
でも、我が家は 誰も釣りをしないので道具も知識もない。
息子も釣りには 全く興味がないが「行きたい」というので、朝7時過ぎに私の運転で息子と2人 家を出た。
向かうは、隣の隣の市の外れの湖。
名前は知っていたが、初めて行く場所。
着いたそこは、周りがサイクリングコースとなって整備されているが、それ以外は見渡す限りの田園地帯。
暑くもなく寒くもない、風も適度に吹いている。
最高に気持ちがいい。
さて、湖で釣りをするのかと思いきや、釣る場所は そこから田園にひかれた幅2メートルもないような水路。
たぶん誤って水路に落ちても、子どもの膝まであるかどうかの水深で、リスク管理はバッチリ。
リスク管理はバッチリだが、ド素人目にも、ここで大物が釣れるとは とうてい思えない。
隊が用意してくれた釣り竿は、竹竿に釣り糸をくっつけただけのものだし。
本格的な道具を持って、本格的な場所で釣りをするボーイスカウトというのも、何だか違う気がするから、これがいいのだ。
そんな、結果を気にしない のどかな釣りを ぼんやり見たり、初老ながら背筋ののびた隊長さんと話したりしながら3時間。
息子は 自分は釣り竿をもつことなく、草むらにどっかり座って
「釣れねぇけど、頑張れよ~」
「おい!そこは、ぬかるんでるから足元気をつけろよ~」
と、声だけ番長。
私は、そんな息子を少し離れたところで見ながら
「なかなか釣れないわね~」
「何か釣れるといいわね~」
と、どうでもいい感想おばちゃん。
子どもに対して、それ以上の人数の大人がいるものだから、ホントは 暇すぎて眠たくなったほど。
案の定、成果は 手で捕まえたカエルだの、釣り竿ではなく 網ですくった小さな魚が数匹とれただけだったが、子どもたちは ボヤキながらも楽しそうだった。
お昼に終わると、もう少し釣っていくという親子もいたが、息子も私も早々に後にした。
行きもそうだったが、帰りの車の中でも息子は饒舌だった。
「昨日は早々に布団に潜り込んだが、いつもの昼夜逆転生活がたたって眠れなかった」と言いながら、車の中で眠る気もないようで話し続ける。
眠っていない故の ナチュラルハイなのか??
それとも、私と2人での 久しぶりの遠出が嬉しいのかしら??
そんなことを思いながら、息子の話を うんうんと聞いていた。
それが楽しかった。嬉しかった。
帰宅して、感想だけおばちゃんをしていただけなのに疲れて 布団に直行。
そのときに、腕が何かヒリヒリするなぁとは思ったが 瞼の重さが勝ってしまった。
首の後ろと腕が、あきらかに赤い。
風呂の湯が、腕と首にかかると痛い。
声だけ番長の息子だったが、ボーイスカウトの解散時のミーティングで
「今日、(息子が)1番頑張っていた」
と、同じグループのスカウトが言ってくれたと、帰りの車内で照れなが話してくれた。
それが、私のいいことと、ちょっと悪いことと、ちょっと疲れた 週末のできごと。