少し前になるが、小3の娘を習い事に送っていったときのこと。
「あ~!○○くんのママだ!」と言う声に振り返ると、小さな男の子の姿。
○○くんとは、うちの小1の息子の名前。
声の主は、不登校中の息子のクラスメイトであった。
息子は、入学式から10日ほどは登校した。
その10日のうちの半分は、私もいっしょに息子の隣に座り授業を受けたが。
声の主の彼は、そのときに、私の顔を見知ってくれたらしい。
「あら~こんにちは」と彼にあいさつすると、彼は「○○くん元気?」と言った後「○○くんは、お家の都合で学校に来られないんでしょ?どうして?」と大きな目をくりくりさせながら私に尋ねた。
お家の都合で学校に来られない・・・??
どうやら、先生は 息子の不登校の理由をクラスメイトにはそういう説明をしているようだ。
なんか、その説明だと、登校したい息子を私が「行くな」と無理矢理止めているようだな。
たぶん、目の前の彼もそう理解している様子。
「いや、違うのよ。行かないのは、お家の都合じゃなくて○○が行きたくないって言うからよ」
そう言うと、彼はビックリしたように目を一層大きく開けた。
「お家で○○くんは何してるの?」
「ゲームしたり、YouTube見たり」
「それだけ?」
「そう」
「ずっと?勉強しないの?」
「うん。したくないんだって」
「それでいいの?怒られないの?」
「ゲームとYouTubeの勉強してるからいいのよ」
そこまで話すと、理解できないというように彼は戸惑った表情を見せた。
「僕は、学校で今日は1時間目からずっとお勉強したよ。怒られたりして大変だったよ。○○くん、いいなぁ」
そう言って 彼は私との会話を終わらせて、少し離れてこちらをみていた母親のもとへ戻った。
この会話は失敗だっただろうか。
「うちの子に変なこと教えないで」彼の母親はそう思ったのでは。
私に軽い会釈をしてくれた母親と、彼の後ろ姿をみながら、そんなふうに思った。
しかし、今更 訂正もできないし間違ったことは言っていない。
私の息子は、登校していないが間違ったことはしていない。
そう、登校しない選択を自身でしただけ。
息子の選択を、先生が皆にちゃんと伝えて欲しいなぁ。
でも、いろいろ無理っぽいのかなぁ。
そしたら、ふと見た窓の夕焼けが真っ赤で、とてもキレイで、深呼吸した。
そんな日の話。