「初めて友だちができたんだ。その子と週末に遊びたい」
10才の息子が、木曜の夜に言った。
「土曜は、以前からの予定があったからムリ。でも、 日曜なら大丈夫」
そう返事をしたら、息子は「じゃあ、明日 友だちに そう言うよ」とニコッとした。
弟妹がそろって、2学期早々から「登校&登園拒否」宣言をしたが、10才の息子だけが 以前と変わらずに登校をしていた。
無理をしているのではないか。
弟妹が「行きたくない」と駄々をこねている中、自分の悪い状況を言い出せなくなってしまってるのではないか。
と、実は弟妹以上に 私は彼を心配をしていた。
そう思っていた矢先の、その言葉。安心した。嬉しかった。
息子は金曜に学校から帰宅すると
「日曜の昼から、オレん家であそぶことになった!!」
ん?ちょっと待て!?公園で遊ぶんじゃなかった?ん?
段ボールが、まだ散乱する我が家を見渡し、ちょっと戸惑った。
が、「よし!部屋をきれいにするいい機会だ!」と土曜に夫を急き立て、掃除をさせて 段ボールが散乱した部屋をなんとかした。
なんたって、息子の初めての友達だ。
その初めての友達が、家に来るのだ。
息子の顔に泥を塗るような家ではならぬ。完璧じゃないが、まぁなんとか良かろう、たぶん。
当日の日曜は、娘と夫は早くから出かけた。
いつもは「宿題をやりたくない」とゴネる息子が、今日は友達が来るからと午前中に宿題を終わらせた。
家から目と鼻の先の場所で、友だちと13時の待ち合わせだというのに
「もしかしたら、早く友だちが到着しているかも」
「待たせたら、かわいそう」
と30分以上も早く出かけて行った。
嬉しいのだなぁ。
少し前、以前の学校で仲の良かった子みたいに喋れる子がいない。
休み時間は、いつも1人。ちょっと寂しい。
そんなことを言っていたのに。
よかった。
来てくれた友だちは、息子となるほど気が合いそうな子。以前の学校の友だちと似てる。
その友達と、お互い無理している風もなく ゲームをしたり、寝転がって動画サイトをみて笑ったり。
良かったね。
また、こういう機会があるといいね。
良かった。